メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
カオスマンD
ワールド:
ゆかり

冒険手帳を見る

創作物語

刀と扇物語弐 二拾六 「修羅場②」 日付:2016.11.12 17:59 表示回数:464

しばらくして。

「クーイナ、お肌プニプニで気持ち良いねー。お餅みた~い」
「せ、先輩、頬っぺたをつつかないで下さい・・・」
「良いじゃん。ふふ、柔らかーい」
「ひゃうっ!?先輩止めて下さいよ~」
「えへへへ、クイナちゃん可愛いね~」

アヤメはクイナと密着しているのを良い事に、頬擦りしたり身体を彼方此方触っていた。

「はう~、止めて下さい先輩~、ハヤトさんがいるんですよ~」
「え~?大丈夫だよ~。ハヤト君がこれぐらいで欲情したりしないって~」
「アヤメ」

と、背中越しにハヤトが話に入ってきた。

「確かに私は欲情しないけれど、その辺にしないと君を斬りかねないとだけ言っておくね(チャキッ)」

と、抱えていた刀の鯉口を切るハヤト。その言葉にアヤメは笑顔が引き攣る。

「は、は~い・・・」

アヤメは小さく返事をして大人しくクイナに身体をくっ付け、その後は拭くが乾くまで三人ともただ静かに時を過ごしたのだった。


三人の服が乾き、着る事になった。

「ところでさハヤト君、これからどうするの?」

アヤメはスカートを穿きながらハヤトに今後について訊ねる。

「うーん、とりあえずここが何処なのか、皆が何処にいるのかを調べないといけないからね。一回辺りを捜してみよう」
「まあ、そうなるよねー。あ、ハヤト君。もう着替えたからこっち向いて良いよー」
「ああ、うん」

着替えが終わり、ハヤトが振り向く。

「それじゃあ行こうか」
「うん」
「はい」


小屋から出て十分が経過した。ハヤトは一人で砂浜を歩いていた。

「うーん、どうしようかな・・・」

歩き続けているハヤトの目に入るのは沢山の漁師小屋、砂浜、海、そして小屋の後ろに生い茂っている森。それ以外には変わった所は特にない。アヤメとクイナは二人一緒にハヤトとは反対方向を歩いて調べに行った。何かあったら一発撃って知らせると言っていたが、まだその発砲音は無い。

「・・・駄目か。手掛かり無しだ。戻ろう」

ハヤトは一旦戻るべく引き返そうとしたその時だった。

「ん?」

ハヤトの目に何かが入った。それは近くの岩場。そこに女の子座っていた。いや、ただの女の子ではなかった。綺麗な青髪を靡かせ、上半身は胸辺りを隠す二枚の貝殻と紐のみ、極めつけは下半身。なんと人の足ではなく、魚の尻尾と鰭を持った、人魚だった。

「えっ、ちょっ・・・」

ハヤトはいきなりの出来事に目を疑った。目を擦ってもう一度見てみると、やはり人魚だった。
人魚はハヤトの視線に気付いてこちらを向く。そしてハヤトと目が合うと慌てたように海へと潜っていった。

「あっ、ちょっ、ちょっと!」

ハヤトは追いかけた。だが人魚の姿はもうそこにはなく、静寂だけが訪れていた。

「何だったんだ今の・・・」
「ハヤト様!」
「うわっ!?」

突如、いつぞやの戦刃霧骸がそこに立っていた。

「・・・また君か。何の用?」
「ハヤト様!ハヤト様!お耳に入れたい事があります」
「何?」
「この砂浜、漁師小屋が沢山ありますよね?」
「ああ。あるね」

ハヤトは歩いている途中、いくつもの漁師小屋を見ていた。

「この島では何と、人魚狩りが行われているそうなんです!」
「え?」
「この辺りの海は人魚がよく行き来しているらしくて、人間達が人魚を捕らえて売買しているそうなんです。漁師小屋が沢山あるのは、その人魚狩りをする人達が使う為なんです!」
「という事はそっきの彼女は・・・」

ハヤトを見て海に潜ったのは、捕まると思って逃げたからだろうか。ハヤトはそう思った。

「成程ね。理解したよ。ありがとう」

ハヤトは早々に立ち去ろうとした。

「あ、ハヤト様、もう一つお耳に入れておきたい事が」

が、戦刃霧骸が引き止める。

「今度は何?」
「はい。それがですね、アヤメちゃんとクイナちゃんが悪い人たちに捕まってしまいました。撃って知らせる前に取り押さえられて、このままなら奴隷として売られて・・・」
「それを先に言えぇぇぇぇっ!(バッコーンッ!)」
「あ~れ~!ハヤト様ありがとうございま~す!」

ハヤトは戦刃霧骸を吹っ飛ばして矢の如く走っていった。

スタンプを押す

スタンプ(0

コメント

  • コメント(0

おしゃべり広場の一覧に戻る

変更する

×