メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
カオスマンD
ワールド:
ゆかり

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創作物語

刀と扇物語弐 二拾七 「人魚との遭遇①」 日付:2016.11.18 22:32 表示回数:677

「むーむーむーっ!」
「んーんーんーっ!」

アヤメとクイナは惨めだった。ハヤトと別れてから数分後、筋肉ムキムキな巨漢達数人が突如として現れ、抵抗する間も無く武器を取り上げられ、足を縛られて猿轡を噛まされてしまった。

「へっへっへっ、中々の上玉が手に入ったじゃねえかよ」

男達は二人の武器と身体を舐め回すようにジロジロと見つめる。

「売っ払っちまえばかなりの金になるだろうが、ここは一回味見してみっか」
「んぐっ!?」

それを聞いたアヤメはジタバタともがくが、手足はきつく縛ってあるので縄抜けも出来ない。仮に出来てもクイナと一緒にここから逃げ出すのは不可能に近かった。

「んーんーんーっ!(ヤバイーっ!このままだと犯されちゃうよーっ!)」

クイナも同様に必死でもがくが無意味だった。

「んーんーんーっ!(ハヤトくーん!早く来てーっ!)」
「さてと、そんじゃあ早速・・・」

男達が二人に群がろうとしたその時、

「アヤメ!クイナ!」

ハヤトが全速力で向かって走って来た。

「んぐぐっ!?(ハヤト君っ!?)」
「あ?何だガキ」

男達はジロリとハヤトを威嚇する。かたやハヤトはそんな事お構い無しに状況を確認する。二人は為すすべなく捕まってしまった。
そうなったら話は簡単。即座に始末する。ハヤトは鯉口を切った。

「・・・一閃」
「あ?」

男達が気が付いた時には、ハヤトは彼らの背後にいた。ハヤトは腰に差していた刀を鞘に戻した。鯉口を切っただけの状態の刀をだ。

「テメェ、いつの間に・・・」

刀が鞘に収まると、彼らは既に斬られていた。致命傷だけを的確に、アヤメとクイナの武器は壊さず、それでいて二人を縛っていた縄も切った。

「なん・・・」

男達は何も出来ず、その場に倒れた。
今の出来事をアヤメとクイナは理解するのに時間が掛かった。

「アヤメ、クイナ」

ハヤトは二人に近寄る。

「ハヤト君・・・」
「・・・とりあえず二人共、その場で正座して」
「え?あ、はい・・・」
「はい・・・」

この後、アヤメとクイナはハヤトから静かな説教を受けた。


少しして、三人は一緒に砂浜を歩いていた。

「ふーん、そっかー、この海って人魚がいるんだねー」
「うん。まあ、情報提供者があれだけど・・・」
「そっかそっかー。その人があたし達りピンチも教えてくれたんだねー。感謝感謝」
「うん。そうだね」
「うんうん・・・ねえハヤト君」
「何?」
「もしかしてさ、まだ怒ってる?」

アヤメの質問にハヤトはあー、と言いづらそうに目を逸らす。

「別に私は怒っている訳ではないんだよ。元々君達は戦闘向きじゃないないし、私の不注意でもあったしね。ただ、カンナならかなり怒るかもね」
「あー、ありえるありえる」

アハハハ、とアヤメは苦笑いする。すると、

「・・・あのー、ハヤトさん」
「ん?何クイナ?」
「えーっと、そっき話に出ていた人魚さんって、あれの事ですかね・・・?」

クイナの指差す先にあったのは――

「おらっ!大人しくしやがれっ!」
「いやっ!誰か助けてっ!」

投げ網の中に捕らえられている一人の人魚の少女と筋骨隆々な巨漢五人組だった。

「・・・アヤメ、この距離なら撃ち抜けるよね?」
「うん。余裕余裕ー」
「よし。私が突っ込むからアヤメは援護よろしく」
「オッケー。クイナ、無防備なあたしを守ってねー」
「は、はい」

アヤメは火銃・赤銅丸を巨漢の一人に照準を合わせる。
ドォンッ!
銃撃音が鳴り響き、巨漢の一人が頭から血を噴き出してその場に倒れ込んだ。

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