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彼女が学校に来ないようになって3ヶ月・・・クラスメイトも噂話も彼女のことも忘れかけていた頃・・
ガラッ!!
女子生徒A「・・・・・・・。」
美術の授業の最中に彼女はいきなり美術室にやってきた・・・しかし、そんな彼女にクラスメイトの皆も先生も驚きを隠せなかった。
なぜなら彼女の顔は見る影もなく痩せこけ・・・彼女の愛らしい笑顔とはかけ離れた鬼気迫る顔である一点・・・4番目の席だけを見つめていたからだ。
女子生徒A「・・・・・・・。」
無言のまま・・・まるで導かれるように4番目の席に座ると手に持っていた木片を彫刻刀で熱心に彫り始めた。周りの皆もその異様な雰囲気に呑まれ・・・自分の作業も・・・声を掛けることすら忘れ・・・彼女に注目していた。
女子生徒A「・・・。」
しばらく作業を進めた彼女はピタリと手を止めると彫っていた木片を落とした・・・そして彫刻刀を握り締めると・・・。
ドガッ!!
美術教師「なっ!?」
女子生徒B「嫌~~~~!!」
力いっぱい自分の左手に振り下ろした。
女子生徒A「・・・・・・・・。」
グチャ!!ドスッ・・・ドスッ!!
まるで痛がることなく無言のまま・・・ただ自分の左手に彫刻刀を振り下ろし続けた。彼女の左手は見る見るうちに目視できないほど悲惨な状態になっていく・・・だが全員まるで金縛りにあったかのように誰一人彼女を止めようとせず・・・ただただその光景を見続けることしか出来なかった。
女子生徒A「・・・・。」
しばらくすると・・・彼女はピタリと動かなくなり・・・まるで糸の切れた操り人形のように動かなくなった。
・・・その後、彼女はすぐに病院に運ばれたがすでに事切れていた、先生もその事件の後・・・まるで壊れてしまったかのように無口になり・・・ついには他の学校に転勤してしまった。
他の先生達はこのことについて、彼女はただ疲れていただけで・・・それがあのような行為を招いたといっていたが・・・私はそうは思わない。
後で調べてわかったのだが・・・彼女の死因は左手を失ったことによる失血死ではなく過労死で死んだと医者は言っていたらしい・・・しかも死んだのはあの事件のあった日ではなく・・前日の夜には事切れていて病院に着いたときにはすでに死後硬直も終わり指一本動かせる状態ではなかったらしい。
それに彼女の最後に作った作品は素人の私から見てもすごくうまいと思えるような・・・彫刻が苦手な彼女の作品とは思えなかった。
いまも私の教室の扉側から4番目の席は誰も座ることなく開いたままになっている。
でも、私は今でもふいに美術室の・・あの4番目の席からガリガリと肉を引き裂く音が聞こえるような気がしてならない。無意識で彼女があの行動をとったとは思えない。
私は・・・無意識ではなく何か別の意思で彼女が動かされていたのではないかと今でも思う。 END
ということで学校の怪談第一話「無意識教室」でした。
もし他の七不思議?が気になる方は前の記事に目を通すことをお勧めします。
その他・・・怪談、都市伝説、本当にあった怖い話がありましたら僕に教えていただければ幸いです(書きこヨロ
ではまた会う日まで・・・。
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