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「汝ソノ罪ヲツミキリノシニヨッテツグナウ 償イハ罪ヲ許シ 汝ニ安息ヲアタエル」
冒頭にはよくわからない詩のようなものが書かれていた・・・おそらくこれがこのノートの「ツミキリの詩」という名前の由来だろうと心の中で思った。
女子生徒C「・・・私の罪。」
そんなもの決まっている、迷うことなく・・・ノートに出来るだけ丁寧な字でこう書いた「マーちゃんに謝りたい」と・・ただ真剣に・・・祈るように。
女子生徒C「・・・何やっているんだろう私。」
噂のノートを見つけ、真剣に願いを書いている自分が急におかしくなった。・・・そもそも皆この噂を知っているしこんなに簡単にノートが
見つかる訳がない・・・そう・・ただの誰かのいたずらだ。
女子生徒C「はぁ・・・。」
溜息をついてそのノートを閉じた・・・するとおかしなことに気づいた。
女子生徒C「・・・あれ?このノート・・。」
なぜか最初見たときボロボロだったノートはまるで新品のようになっていた・・・古びた様子もなく・・・なので私はそれが気になって再びノートを広げてみた。
・・・私の書いた文字が消えてる・・・いや、それどころか冒頭に書かれていたよくわからない詩も消えていた。
・・・・・・アハハハハw
そのとき・・・ふいに笑い声が聞こえてきた。その声はどこか懐かしくて・・・聞いていると涙が出てくるような笑い声だった・・・あの声は
女子生徒C「・・・マーちゃん。」
声がするほうを見てみると、会いたかったマーちゃんがそこにいた。でもそれよりも驚いたことが・・・そこにはもう一人の私がいた。今よりも少しだけ幼くて・・・一年生の制服を着ている・・・私とマーちゃん、とても楽しそうに会話をしながら・・。
私は思わず2人に手を伸ばした・・・だが、その手はまるで元からなかったかのように2人を突き抜けて・・・2人はそれに気づくことなく
歩いていった。
女子生徒C「・・・過去に戻ったの?」
夢?幻?・・・そんなことはわからない・・・私はそれよりも2人のことが気になり後を追った。
女子生徒C「あはははwそれでねw」
女子生徒D「え~~wあはははw」
女子生徒C「・・・・・・・。」
2人ともとても楽しそうに笑っていた・・・なぜか私はその光景を見て嬉しい気持ちと悲しい気持ちの両方が混ざり・・・涙となって頬を伝った。
女子生徒C「あっ・・・・。」
その場面から一転して世界がいきなり暗闇に包まれたかと思うと・・・目の前の光景がいつの間にか夕暮れの教室の中に変わっていた・・・一番見たくない夕焼けの教室に・・・そこでは数人の女子と私とマーちゃんの2人がいた。
女子生徒E「・・あんたさ、マジで生意気だよね。」
女子生徒F「まぁまぁwまた次のテストも私の名前で頼むよゴキブリw」
女子生徒D「・・・・・・・。」
女子生徒G「あ・・・?何よその目は?ゴキブリの癖に睨むんじゃないわよ!!」
女子生徒E「マジで生意気・・・ほら!!」
バシャ!!と近くにあったバケツの水がマーちゃんの頭の上から被せられた。・・・隣にいる私は何も出来ずに・・ただオロオロとその状態を見ているだけで・・・・助けに行こうとはしなかった。
女子生徒F「あははははwいい格好w」
近くにいる女子の下卑た笑い声が教室の中を反響して私の耳の中に不快な音として入ってくる・・・私は必死でやめてと声を張り上げたが・・・その声は誰一人として届かなかった。
女子生徒G「あ・・・そうだ・・・ねぇ、そこのアンタ。」
近くにいた女子が私に声を掛けた・・・・やめて・・・・やめてと心の中で声にならない思いを叫び続けた。
女子生徒G「あんたもこいつに水を掛けな。」
女子生徒C「!?・・・い・・いや・・。」
女子生徒E「・・・あんたもこいつの仲間なの?じゃあゴキブリは一緒に駆除しないとね。」
女子生徒C「!?」
そうだ・・・あの時私は・・あの3人の絡みつくような気持ち悪い視線に耐えられなくって・・・。
女子生徒C「・・いや・・・嫌~~~~~!!」
バシャ!!!
・・・マーちゃんを裏切ったんだ。
女子生徒D「・・・・・・・。」
女子生徒E「アハハw本当に掛けたしコイツw・・・んでゴキブリはどう?親友に捨てられた気分は?」
女子生徒C「・・・ご・・・めん・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・。」
・・・ただそこにはマーちゃんの絶望的な目と・・・惨めに親友に水を掛ける私の姿があった。 次の記事へ
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