男の人が女の子の肩をつかみ振り向かせた。
「な、何!藁人形だと!?」
私も兄さんも驚いたが一番驚いてるのは男の人だ。
「そんな、ありえん。
あんな子がフェイクなんていう超高等スキルが使えるはずない!」
道の前方をみるとあの女の子はもう街に入りかけている。
まだあきらめるわけにはいかない。
私たち三人も急いで街に入り、ダークロードの下に言ったが一足遅かった。
女の子がダークロードに推薦状を渡しているところだ。
「待て!その推薦状は、俺の物だあぁ!!」
兄さんは大声で叫んだ。
女の子は一瞬目つきが変わったが、すぐに平静になる。
一方のダークロードも、
「残念だが君のだという証拠はない。」そういって封筒の封を切る。
「うむ、間違いない。マイの筆跡だな。」
そういって書類に目を通していくダークロードだったが
一番最後の行あたりを読んだと思われるときに目つきが変わったように見えた。
そして女の子に尋ねる。
「君の名前は?」
「菜兎(ナツ)です。」
「ふむ・・・。」
そして兄さんの方にやってきて同じ質問をする
「君の名前は?」
「と、智樹です。」
「うむ・・・君の言っていたことは正しかったようだ。
最後の行にこう書いてある『智樹をよろしく』と。」
それを聞いた瞬間菜兎ちゃんはがっくりとうなだれた。
「せっかく盗賊になれたと思ったのに・・・。」
「こうも犯罪が公になってしまっては我々も隠すことはできない。
菜兎、おとなしく警察に行くべきだろう。」
ダークロードがそういったとき男の人が前に一歩進んだ。
「おや、椢(カイ)もいたのか、何か言いたげな様子だな」
「はい、どうか彼女を盗賊にしてやってもらえないでしょうか。」
「何故そうなるんだ?
お前も知っての通り、
マイの推薦状がない限り正式に職業に就けないことを知っているだろう。
彼女が何か特別な力を持っているのなら秘密裏に処理することもできるがな。」
「彼女は・・・フェイクが使いこなせていました。」
ダークロードは苦笑いを浮かべて答える。
「椢よ、冗談も休み休み言った方がいいぞ。
あんな高等スキルがこんな子に使えるわけなかろう。
お前とその子でバトルしてみるといい。
もしバトルでその子がフェイクを使うのを確認すれば、
その子は晴れて盗賊だ。
その子がフェイクを使わなかった、
もしくはバトルに負けたなら即警察署行き、
お前が負けたら盗賊の職を失うからな。」
初めて読んでくださる方初めまして、毎回読んでくれている方こんにちは。
ゆっきーです。
今回は新たに二人のキャラが名前付きででて参りました
(前回は名前がなかったけどね)
そしてまた一騒動・・・。
これから模試が増えて更新回数が極限に減るかもしれませんが
よかったら又読んでください。
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