かくして、菜兎ちゃんと椢さんのバトルが始まる。
武器はどちらも木製で、椢さんは短剣、菜兎ちゃんは籠手と手裏剣を選んだ。
どちらかが攻撃を受けた瞬間、バトルは終了する。
―バトル開始―
「いくぜっ!」
椢は盗賊の名に賭けてこの勝負に負けるわけにはいかない。
一方の菜兎も盗賊になるために、フェイクを使うか勝しかない。
しかし差は歴然としている。
ヘイストで更に素早さが増した椢は、
菜兎の手裏剣をよけながらどんどんと進んでくる。
完全に菜兎が押されている。
接戦が苦手な菜兎にとっては防戦一方でしかない。
遂に隅に追い詰められた。
椢が攻撃する前に菜兎にしか聞こえない声で囁いた。
「大丈夫だ。お前ならさっきみたいにフェイクが使えるさ。
俺がこの目で見たのだから。」
椢が短剣を振り下ろす。
そこには藁人形があった。
「さすがだ。」椢が呟き周囲を見渡すが、菜兎の姿は見あたらない。
椢の動きが止まった瞬間背後にいきなり菜兎が現れて手裏剣を投げる。
「もらったーっ!」
椢は間一髪で飛んでよけ、短剣を投げつけた。
菜兎はよけるのが一歩遅く靴に短剣が命中。
―勝負あり―
ダークロードはきわめて冷静を装い菜兎に告げた。
「フェイクは確かに見せてもらった。
まさかダークサイトもこなせるとは思わなかったぞ。
私が君を盗賊として推薦しよう。」
「ありがとうございます。」
菜兎は満面の笑みで無事盗賊になることができた。
「お前も今日から立派な盗賊だ。」
今度はダークロードは憂たちの方を向いた。
「お前たちも盗賊志望か?」と聞いたが、
「いや、俺たちは戦士と魔法使い志望です。」と智樹が答えた。
「そうか、ならばこれをやろう。」
と、ダークロードは智樹たちに紙切れを渡した。
「それを読むとすぐペリオンに移動することができる。
エリニアのは残念だが持っていないから、タクシーか徒歩で行くといい。」
「どうもご親切に。」
智樹はそういうと菜兎の方を向いた。
菜兎はうつむきながら
「推薦状とか、財布とか盗んでごめんなさい。
でもこうやって盗賊になれたのはあなたたちのおかげです。
ありがとうございました。」といって、
智樹の財布を返した。
智樹はにっこりとほほえみ、
「もう人の物を掏るんじゃないぞ」というと、
「そんなことしないもんっ!」と頬をふくらませて赤くなっていました。
―しばらく後に聞いた話になる。―
菜兎ちゃんは椢さんと共に旅をすることになり、手裏剣を使っているんだとか。
取りあえず兄さんと共にペリオンに行かなくては!
紙切れを手に取る。
『ζετ Σετ Γεαφψ Σλιθτ Το Ρεξιοη』
みなさんおひさしぶりです。ゆっきーです。
いやーテストも終わって一段落(明日は模試なのですが・・・
お待たせしてしまいましたねorz
ちなみに↓ゎ第一話のURLです。初めて読んでくださる方は此方からどうぞ。
http://maplestory.nexon.co.jp/community/bbs/view.asp?sn=141775
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