メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
x蒼隼x
ワールド:
つばき

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創作物語

月が逆さに照らすころ。  file-17 日付:2010.03.02 01:29 表示回数:353

九烏が双馬の杖を構えると周囲の空気が
一瞬に凍りついた錯覚にとらわれた。
実際、周りの枯れ木には霜がおりている。

クウ 「今度は…逃げ切れませんよ?」

九烏が呪文を詠唱すると、
アハトを包み込むように氷のドームが出現した。
やがてドーム内は無数の突起で満ちてくる。

アハト 「これは…」

クウ 「ご安心下さい。一つ一つの殺傷力は
   大した事はありませんよ。
   しかし、それを集中して受けたら…」

アハト 「そりゃゾクゾクするね;」

しかし余裕もかましてはいられない。
氷のドームに閉じ込められた状況で、
この氷柱を避けるのは至難の業だ。

クウ 「アイシクル・メイデン」

九烏が詠唱を唱え終わると同時に、
アハトへ無数の氷柱が襲いかかる。
いくつかは槍で叩き落とせるが、
それでもごく一部でしかない…
容赦なく身体に突き刺さる氷柱を前にアハトはついに力尽き、
握る力も失われた槍は音を立てて地面に転がった。

クウ 「そろそろ終わりにしましょう。」

再び九烏が杖を振りかざすと、
アハトの眼の前から氷柱の群れが襲いかかる。
もう駄目かと諦めかけたその時、
氷のドームを突き破って侵入する男がいた。

クロバ「なんだ情けネェなぁw」

アハト 「師匠!?」

クロバ「チョイとこの子を頼むb」

クロバは脇に抱きかかえていたまちぷるをアハトに託すと、
銀槍を薙ぎ払い、一瞬で九烏のアイシクル・メイデンを破壊した。
まちぷるには外傷は無く、ただ気絶しているようだった。

クウ 「おや?鬼ごっこはお終いですか??」

クロバ「鬼があまりにも遅ェからこっちから来てやったよ。」

クウ 「それじゃあさっさとタッチしてゲームを終わらせますか。」

クロバが来たからにはもう大丈夫、アハトがそう思ったのは
彼の背中を目の当たりにする前であった。

クウ 「美しい師弟愛ですね。師が自ら弟子の盾になって守るとは。」

クロバ「雪玉をいくらぶつけられたってそんなに効果はネェよw」

クウ 「強がっているのがまるわかりですね。
   息が上がってますよ。」

言い終わるのと同時に、九烏は再びアイシクル・メイデンを唱えた。
クロバは息を大きく吸い込むと、力任せに銀槍を地面に突き立てる。

クウ 「衝撃でアイシクル・メイデンを吹き飛ばすとはね。
   しかしどうしました?
   以前の貴方より、ずっとキレが悪い。」

クロバ「…」

クウ 「まさか…そうか、そういう事でしたか。」

クロバ「アハト!まちちゃんを連れて逃げろ!!」

いつにもない迫力に圧され、
アハトは急いでまちぷるを背負ってその場から立ち去る。
こんな状況で逃げるしか出来ない無力な自分に涙が出そうになった。

クウ 「良いのですか?行かせてしまっても。
   『半端』な貴方が私に勝てると思っておいでですか?」

クロバ「鍵の恐ろしさなら十分把握しているさ。
   俺がお前に勝てる望みがないのもわかってる。
   だが…『勝つ』じゃなくて『目的』の為なら…」

クロバは意を決して身を深く沈め、
そして銀槍を地面と水平に構えた。

クロバ「半端な鍵でも、果たせる!」

クウ 「健気で…そして愚かだな。
   それならこちらも一息で貴方を沈めてあげましょう!」

九烏も杖を構え、早口で呪文を詠唱始めた。
互いの間には鍵の力がぶつかり合い、
空間すらも歪んで見える。
クロバは力を溜め終え、同時に九烏も詠唱が終わると、
2人はそれを一気に放つ。


クロバ「ロンギヌス!!」
クウ 「ホワイトアウト!!!」


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