―――――――――――――龍。
しなやかな体躯に強靭な四肢、
眼光は凍て付く刃よりも鋭く、
その奥には燃え盛る炎にも勝る生命力を湛え
人智を超越した力を持ち、
或る時は天災と並び畏れられ、また或る時は神仏と並び敬われる
そんな伝説の生物“龍”
その龍と悠久の時をともにした者達が居るという。
人々はその者達に畏敬の念を込めこう読んだ
“ドラゴンマスター”
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「へぇ~!その話本当なのラダスおじいちゃん」
ラダスと呼ばれた老人は分厚い本を丁寧にしまいながら頷いた
「もちろんだよエヴァン、我々のご先祖様は皆このドラゴンマスターだったんだ」
少年は丸い眼をしきりに瞬かせながら言った
「じゃぁ僕も大きくなったらきっとドラゴンマスターになれるよね!」
「あぁ…あぁ…きっとそうだろうとも…」
老人は何度も頷きいつまでも笑っていた
―――――――――――――それから長い年月が過ぎた―――――――――――――――
年月は少年を逞しい若者へと成長させた
しかし、その年月も青年の冒険心を満たすような変化を運んでは来なかった
繰り返される平凡な日常
きっとこの世界は自分の思い描いていた世界よりも遥かに単純で、
退屈で、怠惰で、短絡で、淡泊なんだろう
いつしか青年は体の内に情熱を飼い殺しにしてしまっていた…
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アバターが無くなったので誰かわからないと思いますがヒゲの無断転載です
相変わらずのダラダラした長さで申し訳ないです
まぁどうやらちょくちょく読んでくださってる方々もいるようで
有難い限りでございます
前のアラン編から急に変って
「は?あれで終わりかよ?」って方もいらっしゃると思いますが
本来この作品は「メイプルストーリー」という一つの続き物のつもりで
書いているので、後々物語をリンクさせますのでどうか一つ
我慢していただきたいなと思います
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