暑い・・・そしてとても息苦しい・・・
それに体中がものすごく痛くて、指を動かすこともままらない
だんだんぼやける風景。
(あれ?何で私倒れてるんだろう・・・)
ぼんやりとした意識の中にふと沸いた疑問。
「おい ちゃんと聞こえてっか?このままだと死んじまうぜ?」
「時間がないんだ。言いたいことはあるか?」
ぼやけた瞳を誰かが覗き込んで何か言ってる。。。
え?なに?私死んじゃうの?
(・・・なんでこんなことになっちゃったんだろう)
――――――――――――――
うう・・・嫌だ・・・私まだ・・・!
ぱかーーん!
「はひ!?」
ノートで頭を殴る爽快な音ともに現実の世界に引き戻される。
慌てて周りを見渡すと、その様子を見ていたクラスの友達がくすくす笑っている。
「わしの授業中に居眠りするとは関心できませんなぁ リオ君」
白い三角のとんがり帽子と白いひげが特徴的なハインズ先生が眉をひそめながら
夢の世界から帰って来て混乱している私の顔を見ている。
「あ・・・いや・・・すいませんでした。」
慌てて私があやまると、以後気おつけなさいとハインズ先生はそういって
授業の続きをはじめた。
私はふぅと小さくため息をついて窓の外を見上げた。
(アレは・・・一体何?)
先ほど見たばかりの夢。ただの夢にしてはやけにリアルな夢だった。
肌に感じる温度や感覚まで、さっきまでそこにいたかのような気分。
それに男の人の声ではっきりと聞こえた言葉。
(このままだと・・・・)
「こら!リオ君聞いているのかね?」
はい!!と私は慌てて椅子に座り直し背筋をピンっと立てた。
ハインズ先生はしばらく鋭い視線を私に飛ばしていたが、何事もなかったように
授業の続きをまたはじめた。
あの不思議な夢。。。あれは一体?
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