三人は三回へ上がった。
そこは小さな部屋だった。その部屋の中には先に円い輪の出来た縄と、四角い穴があった。
そしてその部屋には鉄格子も何もついていない窓があった。
A「おい、まるでここ死刑部屋じゃないか。」
俺「何でこんな小さな刑務所にこんなものがあるんだ・・・」
B「もしかしたら、ここは死刑部屋じゃなくて、自殺部屋だったのかもしれない。」
俺「そんな、これは国の施設だぜ。自殺部屋なんて作るかよ」
B「俺もよく分からないけど、きっとここの看守が病気の患者を見かねて作ったんだろう。病気が病気なだけに、きっともう生きていく希望が持てなかったものかもしれない。それに鉄格子も何もない窓があるだろ。きっと最後に高いとこから自由な世界を見たかったんだよ」
俺「・・・そうかもな。なんかもういいや。早いとこ帰ろうぜ。」
B「そうしよう。なんか俺もここ見て、テンション下がった。」
A「おい、せっかくここまで来たのに何言ってんだよ。最後に穴の中見て帰ろうぜ。自殺して死んでった死体が中にあるかも。」
B「バカか。あるわけないだろ。もう余計なことせずにここでよう。」
A「まぁまぁ。もうちょっとまって。」
そうやってAは身を乗り出して穴の中を見た。
A「ちぇ、何もねえや」
その瞬間水の音が聞こえてきた。下の階からだ。ポツリ、ポツリとどんどん水の音は大きくなっていく。
俺「おい、おかしいぞ何でだ。確かここの水道は止まってたはずだろ。何で水の音がするんだよ。」
A「し、しらねえよ!もう全部見たんだし早いとこ帰ろうぜ!」
B「あ、ああ早く下へ降りて食堂からここを出よう」
そして俺たちは3階から階段を下りて二階へ行った。
しかし水が出るなら、水道のある牢屋のはずなのに、牢屋の水道から水は出ていなかった。しかしこの時俺には、このことについて深く考える余裕はなかった。
そのまま俺たちは2階から1階まで、走って駆け下りた。
Aが足が速いせいか、俺とBが1階への階段を下りてる頃には食堂についていた。
だからAはもう外で出てると思っていたが、予想外なことにまだ食堂の中にいた。
B「何だ。待っててくれたのか。いいからお前から先に外へ出ろ。」
A「で、でれないんだよ」
俺「え?」
A「だから出れないんだって、俺が割ったはずの窓が鉄格子になってるんだよ!」
俺「何冗談言ってんだ。早くいいから出ろって!」
B「Aの言っていることは本当だ。本当に鉄格子があって、外へ出れなくなってる」
俺「おい、じゃあどうすんだよ。俺たちここからでれねえぞ!」
そうと言い合いしているうちに、水の音は消えていた。
しかし三階の穴のちょうど真下のほうから人の歩く足音が聞こえ、こっちに向かってきていた。
A「おい、何だよ。この足音は、ちょっとこれはやばいんじゃないのか」
B「三階に何もない窓があったろ。そこからなら出れるんじゃないか!?」
俺「三階まで全速力で走れ!」
つ・・つかれた 変なところや誤字があったら教えて
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