「まさか噂のダークウイング団か?」
「馬鹿じゃないから答えねーよ」
途端、地面が剥がれた。
いや、崩れたという方が正しいのかも知れないが今はそんな事を言ってる暇ではない、建築材があらゆる場所で剥がれ、合体し一つの形状を形作っているのだから。
「防衛システムを弄るとこんなこともできるんだぜ?」
「っ!」
それは言うならば『巨人の腕』だった。
明らかに潰すためだけに構成されたそれは片手剣を持つ方ではない腕と連動しこちらへと猛攻を振るう。
「クソッ! らあっ!」
出遅れたが、槍を取り出す、敵がどうやって戦うのかは知らないが武器は所持していたほうがいいだろう、牽制の為にとりあえず一本の槍を投げた。
「遅い」
払いのけるというよりは攻撃の軌道にただそれがあっただけという形で槍が砕かれ巨人の腕に吸い込まれた。
そして拳は止まらなかった。
「ソウルアロー!!」
明らかにこちらを潰す軌道のそれを光の矢が砕いたからだ。
「ん? 数個砕けたか? まあ作り出せばいっか」
だが何一つ動じずに片手剣が振るわれ黒の宝石が鈍く光り輝き巨人の腕が盛り上がるように再生した、潰せなかったのに落胆があるがそれだけで充分だ。
攻撃で破壊できる。
「ソウルスピア!!」
虚空から魔力の槍を抜いた、そしてスキルを発動し速度が強化された槍が宙を舞う。
「もーすこし借りるわ」
だが男は動じずに言葉を振るってこの小部屋の建築材が移動していった、舞ったそれは腕の大きさを倍増させ壁ごと粉砕し魔力の槍を意ともせず撃墜する。
「まだ地下層いじってないんですが」
「別にいいだろ、とりあえず外敵の排除が先だ、そっちは解析だろ? ちゃんとやってくれよ」
男が部下であるやはり黒尽くめの男と軽口を叩くと剣を振るい次々と飛来する槍を縦に裂いてゆく、下手したら弾丸より高速かも知れない槍が、だ。
「フィフス・スピア!!」
ヤケクソ気味に放たれた実像付きの槍が放ってきた槍の中で群を抜く様に巨人の腕に収束する、だが結果は虚しく腕に吸収された。
「反抗するなよ、んじゃ潰すぜ?」
そして剛腕が振るわれ、同時に疑問が浮かんだ、そもそもなんでこいつらはここで奇妙な儀式みたいなことをやっていたのかと。
だが拳はこちらに衝撃を伝えた。
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