暗黒の魔法使いの猛攻は既にこのオモチャの王国、ルディブリアムにも迫っていた。

　緊迫した会議。
「『アレ』を使うんですか!!　王！」
次いで複数の臣下たちが抗議のため立ち上がる、だがなおも王はそれを跳ね除けしゃべり続ける。
「そうだ！　五つの長に白鳥の女王にそれぞれの街を守る長全てにだ！　全員にロックを解除させろ！」
「そしてイオスとエオスの二塔にあの宝物を運べ！　そしてドクター・ナカムラの『開発』を受けし五人を緊急権限でこちらに招集するのだ！　責任は私が負う！」

「ッ！　暗黒の魔法使いが来たぞ！」
ルディブリアムにはそんな不穏な雰囲気が漂っていた、だがここにいる五人は違った、彼らにはある秘密がある。
「行くのか？」
「ああ！」

戦略魔法城塞カオス＝キングダムでは早くも笑い声が上がっていた、それもそうだろう、今回は比較的弱いルディブリアム王国なのだから。
　「魔獣どもを投下せよ！　そして雑魚を粉砕し最後はこいつの主砲であの城を砕き散らせばいいわ！」
そんなとき不意に声がやんだ、なぜかわ解らずこの城塞の主も外へと視線を向ける。
「あ、あれはーーッ！」
ルディブリアムが浮いていた。
エオスとイオスの連結を切り離しその巨体を縦へとした、だが悲鳴は聞こえない、恐らくは中へと避難しているのだろう。
「伝説の魔法科学戦闘兵器ルディオン！　以前事件により使用ができないと聞いていたがまさか！」
そして両足があの浮遊王国の下部から生え、そして次に両手が生まれ、最終的には頭が首都の城から生えた、それは飛行し円形の動の真上に突き刺さる。
『ウォォォォォォォ!!　玩具超戦士ルディオン見参！』
そしてひときわ大きな爆音と共にイオスとエオスの二つの塔が地面から引きぬかれ連結し一つの剣を作り出した。
「チィ！　こうなったらカオス＝キングダムにあのコードを出せ！」