メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
kokorokarane
ワールド:
みずき

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創作物語

駄作すみませんw一度消えて笑えない 日付:2011.06.12 22:26 表示回数:400

さらに前を向いてどんどん歩いていくバーさん。
ジーさんは俯きがちだったが二人分の荷物を背負い、少し遅れながらもひょこひょこ付いて行った。
ふいにバーさんは立ち止まってジーさんを振り返った。
「どうした?疲れたのか?」
「ジーさん!見てみぃ、見てみぃ!!ほれあそこ!」
興奮気味に、そこだそこだとバーさんが示す。
「…あれは」
バーさんが示したその先には、腰に刀を差した青年がいた。その後ろには三匹の動物がいて犬と猿、それにキジだ。青年は頭に桃マークのハチマキをしており、腰には小さな布袋をつけている。
「…バーさん。彼はかの有名な」
「そうじゃ!ジーさんは目が悪いからあんまり見えんじゃろうが、あれは鬼退治専門職桃太郎組の人じゃ。しかも、初代桃太郎と同じ動物を連れているからには上流階級の桃太郎組なんじゃろう!」
「…そうじゃろうな」
「サインほしいなぁ、憧れるなぁ!」
「バーさん、サインをもらったら家に帰ろう。彼は専門で鬼退治しているんじゃ。わしらが行ったら迷惑になるじゃろ。」バーさんが行かなくとも、専門はいる。
「迷惑じゃと?ふんっ!それならもう奴は憧れでも何でもないわっ。やつより先に鬼を退治してやるわ!…でも、その前に奴に宣戦布告をしてやろう」
何が何でも鬼退治に行く気満々のバーさんである。しかも、結局桃太郎組にも会いに行くという。それすら止める事が出来ないジーさんは自分のふがいなさを悔やんだ。
「ワシは、恥ずかしい」
「小心者じゃなぁ。宣戦布告は私がやってやるぞ」
「わしがする選択肢があったことに驚きじゃ」
そうして、バーさん達は桃太郎組に近づいて行った。しかし、どうも先ほどとは様子が違う。先程は青年が先頭に立って歩いていたのに、今は青年は地面に手をついてうずくまり、動物三匹が青年を囲むようにして立ち止まっていた。バーさん達は深刻そうな雰囲気に、近づいたものの、声をかけられない。
どうやら青年はぶつぶつ呟いている。
「さっきまでは、出来ると思っていたんだけど…無理な気がする」
…情けない。憧れの桃太郎組の人が鬼退治をする前から怖気づいている。
「逆になんで無理だって思うんだよ?お前すでに鬼退治何度もしてるじゃん!」
これは犬。
「それならさーさっきまでの出来るって自信はなんだった!?ていうかお前負け知らずなくせに何で毎回毎回こう落ち込むんだよっ」これはサル。
「まぁまぁ、いいじゃん?大目に見なって。だって実際おれ達このためにいるようなもんだし?鬼退治はおれ等しないじゃん」これはキジ。キジもキジでフォローしているのかしていないのか分からないが、羽根で青年の背をさすっている。
「違う!今回は本当にダメなんだ!鬼に弱点を知られてしまったんだよ」
「えええ!!じゃあなんでさっきまで出来る気がしてたんだよ!?」
「さっきは…さっきだ。大丈夫な気がしていたんだ!だが…冷静に考えると」
「で、お前の弱点って?」
「メンタル面だ」
「…それ以外の弱点はないのかよ?ていうか、鬼はその弱点をどう活用すればいいわけだ?」
なんだか、鬼の方に同情したくなるような弱点に三匹は無言になった。青年は真剣に悩んでいるようだが、どうもくだらない悩みにしか感じられなかった。
バーさんは一連の流れを観察していたが、そろそろ飽きたらしく、おじいさんが止めるのもかかわらず一歩踏み出した。
第一声は。
「動物ってしゃべるんじゃなぁ」だった。
(続く

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