メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
xちまぷるx
ワールド:
かえで

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創作物語

《名前決まってないから募集します》 No1 ≪登場人物募集≫ 日付:2011.09.03 21:38 表示回数:464

『人を殺すのはよくないことだとおもう』

暗い闇の中、そんな声が頭に響いて
《彼》の言葉が頭に響いて
《彼女》は小刀をもつ手を止めた

黙れ―・・・。

頭の中の声に返事を返す

こんな言葉はいらない
なぜなら
いまから目の前で腰を抜かしたこの初老の男を殺さなければならないのだから

こんな声は仕事の邪魔になる
こんな声は《彼女》の気持を乱す

封じなければいけない
心の奥に
《彼女》の中の《彼》のすべてを
封じなければ―‐

そして《彼女》は目を閉じた

声 を封じて
気 を落ち着かせて

目の前の男を冷たい目で見据える

「まっ、待て!」

男のくせに、甲高い悲鳴のような声で言う
《彼女》は歩を男のほうへと進めた

「わかった、から。
 お前達に不利になるようなことは、もう、しないから
 今度こそ、ちゃんと・・・」

《彼女》は男の言葉など聞いてはいなかった
何を言っても、男の運命は決まってるのだから
男はここで殺されるのだから

そして
《彼女》は小刀を振り上げた
それに男の目は恐怖に見開き、必死の形相で言う

「やめてく・・・」

男の言葉が終わる前に
男の命が終わる

《彼女》は冷たい目で死体を見つめる
動脈を切り裂いた銀色の刃を見つめる
そこから流れる真紅の血と
あたりに噴く赤い雨を―・・・。

《彼女》の服が真紅に染まる
《彼女》自身が血に染まる

《彼女》はまた静かに目を閉じた

苦しいのならば

何も感じなければいい

相手の瞳を、悲鳴を、降りしきる血の雨も
何も感じなければいい

頭に響くあの声も
悲鳴をあげる心さえも
心の奥に封じてしまえば

そうすれば辛くない

それでも感じる心の傷は・・・

《彼女》は小刀を捨てて、血に染まるこの場を後にした。


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