メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
イカ飯ソーダ
ワールド:
つばき

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創作物語

とある旅人の手記 page.2 「揺れる草」 日付:2011.09.03 23:15 表示回数:368


ぐしゃ、ぐしゃ、ぐしゃ、と砂利の道をただただ進むアルフレート。
見渡す限りは平野で、遠目から見ると雑草が緑のカーペットのように見えた。
だが、そんな光景も数時間も見ていれば飽きるというものだ。

「後、どのぐらい歩けばいいんだろう・・・」
アムホスト村からサウスペリ村までは、徒歩で半日掛かると長老に聞いた。
出来るならば、魔物の徘徊する夜が来る前に着きたい。とアルフレートは考えていた。
この小さき島の魔物は他所と比べても貧弱なのは確かだ。
しかし、生まれてからずっと畑を耕していた彼には剣の振るい方などわからないのだ。

「あれがサウスペリか?」
そんな事を考え、歩いていく内にアルフレートは遠くに村を見つけた。
ふと目を左に向けると「サウスペリ」と書かれた看板が立っているのに気付いた。
日も落ちていき、鴉か鴎の鳴き声が聞こえてくる。

サウスペリ村を目指して歩いていると、ふとベルトにぶら下げた麻袋を思い出す。
この麻袋には、村を出る前に妹が焼いてくれたクッキーが入っていた。
妹はクッキーを渡すとき「この味が懐かしくなったら帰ってきてね」と言っていた。
麻袋を開け、中からクッキーを一枚取り出して口に運ぶ。

さくっ、と心地よい食感と共に、何回か噛むと小麦の香ばしい香りが口に広がる。
他の誰が作ったクッキーよりもおいしい、と感じる。

・・・
そんなことを考えながら進んでいる内に、サウスペリ村へと到着する。
すっかり暗くなり、素朴な白い石造りの家の窓からは黄色い光が漏れている。

「今日は早く休み、次の日に備えよう・・・宿屋は何処だっけな・・・」
そう、アルフレートは呟きながら宿屋へと向かうのであった。

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