月すらない、闇夜
目を凝らしても、すぐ隣にいる者の輪郭さえ闇にまぎれて見えない
独りを思わせる、闇
そんな中、すこし先にある大きな屋敷の中はガラス越しにみても昼間のように明るい
離れているというのに、楽器の奏でるメロディーが風にのって流れてきた。
忍ぶのには、絶好の、闇。
これならわりと上手く、早く、仕事をこなせるかな。と、彼女は思う。
そぅ、たとえそれが、素人のこなす仕事でも。
はぁと小さくため息をついたヒナは自分のいる後方の木の枝にいるうるさい3人を見た。
「んで。この屋敷で何するんだっけ?」
うるさいやつ1番(15歳くらい)が超馬鹿発言をあっさりしてくれる
「ちょっとコダケェェエエン、しっかりしてよー、首飾りの回収じゃん」
12歳くらいの背の低い女の子が(省略)1番の肩をバンッと押しながら言った
何故名前を呼ぶのに叫ぶ必要があったんだろう・・・
うるさいやつ2番なやつ
「おぉー、さすがウツギ、で、どんな?」
「ぁ~・・・、んっと、ダイヤとルビーの」
「そんなんあんなでかい屋敷にはいっぱいあるだろ」
「・・・そうだねー」
「これだよこれ、この紙に描いてある首飾り!
ヒナさんにさっきもらっただろ?」
そういってうるさいやつ3番(15歳くらい)が1・2に紙を渡した
ヒナがゲウィターに渡された、首飾りの絵の描かれた紙だ
「うゎ~ぁ、さっすがヤミ君!よくもってたねー」
「あったりまえだろー」
「ん、でもこの暗さじゃこんな紙渡されても見えないんですけど」
「・・・」
後ろでけらけら笑う3人にヒナは目眩をも覚える
ヘリエ国の恥だ・・・とかも思ったり
ヘリエ国とは、ヒナの育った国
普通の暮らしというものに疲れきった者や、血に猛る者達が自然と集まってくる、《恐》の国
荒地が多く、野生の動物も小さくてすばやく、凶暴なものが多い、地理的にはあまり良くない土地だが
他の国からくる裏の稼業を多く行うために国の懐は豊かで、他国との貿易で多くのものを補っていた
ついでにいうと、治安はそんなによくない
だが、そんなのは弱肉強食という自然の理。弱いものは死ねばいい
それがヘリエ国の考え方だった
あの3人は子供なので、堕ちてヘリエにきた親たちの間で出来た可能性が高い
・・・が、彼女はもちろんそんなことは気にした事がないので、知らない
そして、このヘリエの国の王が、ゲウィターだった。。。
何の気まぐれか、王である彼に拾われ、娘のように育てられたヒナは国の中でも位がたかい。
しかし彼女は仕事をする
あの国では
誰もが仕事をする。
仕事をして、国が俸給を受け取り、王や宰相が使い道を決める
宰相から聞いたことだが、ヒナは道に捨てたれていたらしい
それをゲウィターが拾ったのだと
命を救ってくれたのは王なのだと
お前が忠誠を誓い、命をささげるのは王なのだと
お前の命は
《王のモノだ》と。
†あとがき†
ぁゎゎゎゎ、怖い。やっぱりなんヵ物語を書くのがこわいw
しかもなんヵ暗いし!!!
はやく王子様でてこいやー`∀´*
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