メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
イカ飯ソーダ
ワールド:
つばき

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創作物語

とある旅人の手記 page.5 「紅葉と剣」 日付:2011.10.23 20:24 表示回数:341


宿の個室に、一人。
「・・・格好つけて、あんなこと言ったけど。
 本当に、海賊なんて相手にして大丈夫なんだろうか・・・」
自分の言ったことを少し後悔しつつ、アルフレートは剣を鞘から抜いてみた。
この剣は父が遠征に出かける前に使っていた剣で、相当古いものらしい。
父曰く「二つとない伝説の武器」だが、さすがにアルフレートも信じていなかった。
ただ、柄と持ち手の部分に施された、薄汚れた紅葉のレリーフは素晴らしいものだ。
きっと相当古いものなのだろうが、その刃には錆びが見られない。
・・・剣を握ってみると、なんだかアルフレートは勇気が沸いてきた。

「父さんの形見のこの剣があれば、きっと大丈夫なはずだ・・・
 きっと、大丈夫・・・なはず・・・がんばれ、がんばれじぶ・・・」
剣をそっと鞘に戻し、ベットに横になるアルフレート。
横になってからすぐ、アルフレートは深い夢の世界へと沈んでいくのだった。

・・・だが、何かがおかしい。
今、自分は夢を見ているはずだ・・・この胸のざわつきは、この、気配は。
アルフレートは夢の中で、尋常でない気配を感じていた。
徐々に気配のモトがアルフレートに近づいていく感覚、しかし眼が開けられない。
そして「それ」がアルフレートへと覆いかぶさり・・・

「うわあッ!!」
そこで、アルフレートは眼が覚めた。
・・・だが、そこは宿の個室ではない。
見渡す限り森が続き、自分の丁度真上には巨大な紅葉の樹がそびえ立っていた。
紅葉の樹の周りには赤い葉っぱが積もり、赤いカーペットのようになっている。
そして、温かく、優しい、先程とは真逆の間隔。

「さっきからどうなってるんだ・・・これは夢のはずだ!」
頬を自分でつねってみても、ただ痛いだけ。
・・・これは夢のはずだ、夢のはずだ、パニックになり、頭の中に思考が回る。

「これは夢ではありません、あなたは選ばれたのです」
慌てているアルフレートの前に、白く輝く女性が現れる。
地面から数十cmほど浮き、白い長絹の身につけ、白金のような長髪の持つ姿は、
おとぎ話に出てくる女神そのものであった。
優しく、温かみのある声でアルフレートへと語りかける。

「だ、誰!?」
「私は貴方を守る存在、ただ、それだけです」
「守る存在?何言ってるんだ!
 それよりも、ここは何処?何故僕はここに居るんだ!」
「・・・貴方は選ばれたのです。
 そう、貴方の持つ、その紅葉の剣に・・・
 ここは紅葉の剣の領域、剣の精神内と説明すればよいでしょうか」
剣に選ばれた?精神内?自分は魔法にでもかかっているのか?

そして、アルフレートに女性が優しく事を語り始める。
・・・ここから、物語は始まる。

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