メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
イカ飯ソーダ
ワールド:
つばき

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創作物語

とある傭兵の手記 page.3 日付:2011.10.27 20:29 表示回数:314


「絶対に・・・絶対に倒す、んだ・・・ッ!」
何時間が経ったのだろうか・・・バルログとの戦闘は続いている。
両陣営共に消耗しきっている。
遠征隊側は残る人員が僅か十人程度にも減り、バルログはひどく消耗し、
その息を荒げている。

・・・最終決戦だ、ここで、全て終わらせてやる!
最前線で戦う者は私と放浪の槍使い、そして遠征隊長・・・
後衛は封印を行う賢者や弓使いが配置に付き、決戦への準備を進めている。

そして、隊長が角笛を吹き。
「・・・決戦だ!世界に勝利と栄光を!
 行くぞバルログ、覚悟は良いなァ!!」

三人の英雄たちがバルログへと歩を進めていく。
ひどく消耗しているが、それでもなお、英雄達は勇気を前に突き進んでいく。

槍使いが高く飛翔し、そのままバルログの腕を地面へと刺し繋ぐ。
まるでミスリル鋼のようだった肉体を易々と貫き、バルログにダメージを与える。
次に隊長がもう片方の腕へと回り、その腕をぶった切る。
滝のように血が噴出し、バルログの顔が一瞬苦痛に悶える。
そして、私がバルログの頭目掛け飛び上がり、そのまま剣を頭へと振り落とした。

すぐさま賢者たちが配置へと付き、バルログの封印を行う。
バルログの体は鈍く光る鎖で繋がれ、両方の腕には釘が打たれ・・・
その頭には私の剣が突き刺された。

しかし、封印を行う為の力が少し足りない。
・・・息子との約束は嘘になるが、ならば、世界の為に死のうじゃないか。
私は前へと出、肉体を封印に使えと言った。

「だが、最後に手記を書かせてはくれないか」
「・・・いいでしょう」

そして、程なくして。
私の体がバルログと鎖と杭で固定される。
体に杭を打たれるのが耐え難い痛みだったが・・・今はどうでもよい。
悪いな、息子よ、父さんは。

◆◆◆

手記の最後のページには、こう綴られていた。
「約束を守れなくて、悪かった、アルフレートとシャルロッテ。
 いつも約束は守れと言っていたが、逆に私が破ってしまってごめんよ。
 だが、父である私が死んでも、私はいつでも傍に居、守ってあげよう・・・

 ありがとう、そしてごめんなさい 父より」

短篇「とある傭兵の手記」終。

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