メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
リヴセシル
ワールド:
みずき

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創作物語

warwolf 日付:2011.11.20 21:35 表示回数:396


時系列が本家と異なります。というか展開が違います。あと続きません。多分。



駆けろ、駆けろ、もっと速く!
紅蓮に燃える故郷を、一人の青年が駆ける。
血のように紅い髪は長く、瞳は憎しみの紅色を宿していたが、
今は焦りが色濃く映っている。
背に生える翼は、彼がただの人間ではないことを示していた。

「何故だ……!一体何故……!」
この地には、彼の家族がいた。母と、たった一人の妹。
彼は二人を守るために、本来ならば敵である暗黒の魔法使いの配下へ入った、
そして彼と暗黒の魔法使いは、ある約束を交わしていた。
交わしていた、はずだった。
暗黒の魔法使いは、彼との約束を破り捨てた。
この地へは攻撃しないという、その約束を。


底知れない絶望のすぐ手前。
彼の復讐の火蓋が、斬って落とされる。



**


「こりゃ、酷いな」
目の前には、燃える小さな村。
そこに彼は立っていた。
服装はまるで一般人のような軽装だが、その手に携える赤い弓は、
在りえない程使い込まれ、赤というよりも黒いと表現した方がよいのかもしれない。
燃えて、灰と化していく村を見据えるその瞳は、悲しいほどに暗く、
何を考えているのか、全く読めない。


彼はこの地に不穏な者達がいると聞き、手の空いてる者もいなかったので
たった一人、建前上では単独遊撃任務ということだった。
だが、それは無駄に終わったようだ。
思いのほか敵が手を回すのが早かったらしく、結果は見ての通り。


別に特別な報酬がついていたわけではないし、失敗しても何を言われるわけではない。
「後味悪ぃ……、敵さん早すぎだろ~」
しかたないとため息をつき、彼は生き残りがいないか調べだす。
ざっと見て回るが、人の気配はない。
多分、この業火の中。遺体は殆ど燃えてしまうだろう。跡形もなく、骨だけを残し。

「ん?」
誰かいる、すぐ近くに。
すこし村から離れた場所に、一軒の家がある。それも業火に見舞われていて
とても危険だが、そこに影が見えた。
翼が生えているのが疑問だが、殺意は此方に向いていない。

「おーい、こんな所で何してるんだ?」
「!!」
横顔から見えるのは赤い目、頬には涙の跡。
青年の特徴からして、敵軍──黒の翼の軍隊長に一致している。
冷や汗が流れ、彼の緊張を駆り立てる。
いくつもの死闘を潜り抜けた彼でも、さすがに軍隊長と渡り合えるほどの実力を
持っているわけではない。


「貴様は……誰だ」
青年が重く口を開く、行動を間違えたら大変なことになる。
「……遊撃任務でこの地域に来た。お前は?」
慎重に、確実に、敵対されないように言葉を選ぶ。
初めて青年はこちらを向いた。
「(バッチリビンゴじゃねぇか……やばい、これはやばいぞ)」
だが、そんな不安は次の一瞬で吹き飛んだ。
「スレイヴ、この村の出身者だ」
そうか、と適当な返事を返し、もう一度彼を見る。


「いい目をしているな」
「………え?」
青年は戸惑う。
それでも彼は言葉をつづけた。






「いい冒険者になれるぜ、お前」





その目には、現実を見据える覚悟と力があった。






赤い焔と惨劇が、思わぬ奇跡を呼ぶ。
(いまはただ、感情的になっているだけ)
(いつもの彼なら、十分に素質があるだろうに)



あとがき
お久しぶりです、リヴです。
衝動に駆られてプロローグ的なものを書いてしまいました
続きません、多分。
何がやりたかったんだろうか……。
題名の綴りがあっているのかが凄く心配

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