Last Resistance 第一章 襲撃
Chapter.4 確認
――――夜 ミラル森
樹齢千年を越す木々が鬱蒼と立ち並ぶこの森は、その幾重にも重なった葉や枝で、
一筋の光でさえ許さない。この暗闇の中、アロム達は懐中電灯の光だけを頼りに、『ソルド』の
アジトへと向かっていた。
「ホントに気味悪いよ~ここ・・・・・・。」
ヒウミが元気の無い声で震えているのをハリルが落ち着かせている。
「皆いるだろうな。」
自作と思われる懐中電灯を持っているフォズが、辺りを見回す様に言った。
「あれ?そういえばアロムはどこだ?」
ハリルに言われて全員周り見るが、――――いない。
「おいおい、迷ったら到底この森からは出れねぇぞ。」
「ええっ!そんな・・・・・。」
ヒウミは後ろを振り返るが、吸い込まれそうな闇が延々続いているだけで、人影は見当らない。
「俺達はパソコンの地図があるからいいが、元程ではなくとも広い森だからな・・・・・・。」
ミラル森は、日中だろうと陽光の侵入を拒む。迷ってそのまま――――――――ってことも。チッ、迷惑かけやがって。
「どうなっちゃんたんだろう・・・・・アロム君。」「アロムはな、幽霊に喰われちまった。」「えええぇっ!!? ユウレイに!?」
ギグは本気で怖がっているヒウミを少し面白がっている。
「ん?あ・・・・・あれは・・・・・・。」
ギグがヒウミの後ろを怯えた風に指さす。
「え・・・・・ま、まさか。」「ワッっっ!!!」「キャッ~~!!!!」「オレでしたー。」「ちょ、・・・・・っとアロム君~~。」
「別に帰ってこなくても良かったぞ。」「あぁ~~!? んだとギグおいコラ!!!」
ハリルは横目で見る三人のはしゃぎぶりにホトホト呆れていた。――――ここは闇の森だってのに。
「アロム!一体どこ行ってたんだ人騒がせな!」
フォズは腹いせに懐中電灯の光をアロムに向けている。
「眩しっ!いや変な気配がしたもんでさ・・・・・・。」
「ええっ!ユウレイ!?」
「もういいよそれは・・・・。」
「・・・・・いや、たぶんソルドのヤツだろうな、少しシメといた。」
「・・・・・。へぇ、成程。」
フォズが腕組をして懐中電灯の光が下を向くと、辺りが一気に暗くなった。
アロムはそれに合わせる様に低い声で、 「ちょっと」 と散らばっている一同を自分の近くに手招いた。
「オレ達が今向かっている事は、もうバレてると思った方が良さそうだぜ。」
L. R. to be continued
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