君に出会ったその時は、別に何も思わなかった。
だけど、君と一緒に色々な事をしてくうちに、
友達と遊ぶ内に、
僕の中では大切な人に君はなっていった。僕の心の大半が、君の事になっていったんだよ。
君が幸せである事を祈るしかない。
たとえ、どんなに想っても、どんなに念じても、君がここに来ることはないと思う。
遠くから僕の名前を叫ぶ君の声が聞こえてきても、
それは・・・・・
僕は君と一緒にいても許されるのだろうか?
1年前の、あの日あの季節、春の時の事が、頭をめぐる
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「あの・・・その・・もし良かったら、私と・・その・・付き合ってください!!!」
桜舞い散る4月。高校1年の春。
入学してから1週間が経ったある日、今目の前にいる女生徒にここにくるよう
呼ばれ、
きてみたらアラビックリ。人生初の告白Timeだった。
「「・・・・・・・。」」
「・・・・・え?」
「な・・2回も言えませんよ!?」
「あ・・え?・・・と・・僕なんかで・・いいのです?」
目の前の女生徒は割と可愛い。まぁあくまで主観だけど。
女生徒は真っ赤にした顔をしながらも、目は希望に満ちてきて。
その大きな瞳をこちらに向けながら答えた。
「貴方の事を初めに見かけたのは入試発表の時です。
この1週間、貴方の事が・・・あ・・・あ・・」
いやいやいやいや。
そんな事あってはいけない。あるはずがない。だって僕だよ?
嬉しいけども!可愛いし、性格良さそうだし・・・
「いやいやいや・・・・嬉しいですよ?アリガトウ。だけど、僕ですよ?
本は散らかしっぱなしの弁当もろくに作れない、人付き合いも悪い僕ですよ?
貴女にはもっといい人が・・・」
そこまでいった時点で女生徒が人差し指を持ち上げ、僕の口につける。
それだけで頭がどうにかなっちゃいそうなんだが・・・
「それじゃぁ言いますけど」
彼女は艶やかに光るピンク色の唇を動かし、真実(?)を語った
「本を散らかしたのは他の男子生徒ですよね?いつもは妹が作ってくれているお弁当を
今日が貴方が作ったのだと言ってた時のお弁当は遠目で見ただけでも天才的でしたし、
人付き合いが悪いなんてそんなのは真っ赤な嘘。貴方が話さないのは自分とは合わないと思われる人ばっか。
違いますか?」
「・・・・ッ!!」
正解だ・・すべて正解だ。パーフェクト。まさか弁当の件まで知られているとは・・・
彼女は僕の反応で満足したらしい。
にっこり笑って、口から指をどけてくれた。
「あの・・・」
「あ・・はい?」
「それで・・・答えは?」
忘れてたそんな大切なものを忘れるなんて・・・
「こ・・こんな僕でいいならよろしくお願いします」
ぺこりと斜め45度に体をさげる。
2秒ほどたって、顔をあげたその先には、彼女が半泣きの表情でたっていた。
「・・・・え?ちょっ!え!?」
彼女は自分が涙を流している事に気づいたようだ。
慌ててブレザーで涙をぬぐおうとしている
「あ、ちょっとまって!それじゃ駄目だ!ハンカチあるから!」
あっちゃー・・・ちょっとついてるな。と僕が小さく声をだしながら
小さく、整った顔立ちの彼女の顔を拭っているとき、
なぜか彼女はじっと僕を口を半開きにしてみていた。
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