メイプルストーリー

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Dora猫s
ワールド:
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創作物語

薊の舞 7話 日付:2012.12.10 21:31 表示回数:323

右手のブレイドの修行と言っていたが、実際俺は攻撃速度の差が歴然としているのでブンブン振り回しているだけだった。
これに意味があるのかは分からないが、振り回している内に飽きてくるのは当然のことであり、俺は振り回すのをやめようとしたところ、師匠に片手で制された。

「唐突だがくず餅が食べたい。この修行が終わったら、近所のあんみつ屋にくず餅を食べに行くとしよう」
「師匠は本当に甘い物が好きだなぁ」

俺はつくづくそう思った。
木刀のブレイドを扱いなれたかのような振る舞いをする。ブレイドは手にがっちり掴まれ、宙で踊る。木刀で軽いからか、躍動感がある。

「終わったらあんみつ屋でも行こうじゃないか」

ニィっと微笑む師匠。
昨日もそうだったけど、今日も行くのか・・・・・・。半ば呆れ状態な俺は、もうどこにでもついていかないといけないのだろう。

30分程の時間が経つ。
さすがに振り回しすぎた。右腕全般が攣りそうだった。
息を荒げながら床にべたぁっとくっつく。ぜぇぜぇ・・・・・・、まさか耐久で振り続けるとこんなに疲れるとは・・・・・・。

「よしよし、次で最後らへんだ。終わったら団子を食べに行くぞ」
「え・・・・・・? 団子?」

疲れすぎて何も聞き取れなかった。酸素プリーズ酸素プリーズ。
右手をグーパーしても手が悴んだように動かない。所々に肉刺ができている。
俺はその痛さを噛み締めながら師匠に、

「くず餅じゃないの?」
「ばっか野郎! くず餅も、だ!」

なんでそこで怒られたのかよく分からない。しかも結構マジな顔である。
俺はもう師匠の甘い物関連なものについていけず、ベラベラしゃべっている甘い物マスターの話を聞き流す。

・・・・・・もしかしたら、修行よりコッチのほうが長く感じてしまう。というかそうなのかもしれない。

「ごほん、最後に二本の剣を扱った技の修行にうつる。両手の速度の誤差も少しは縮んだはず」

そうだといいのだけれど。俺はあまり自分の力を信用せずに師匠の修行内容を聞く。
その時の師匠の顔は、いつもイキイキとした顔をしているのではなく、もうすぐ最悪なことがおこる、そんな風に思っている苦い顔をしていた。
俺には実際に師匠の心なんて読めない。悩んでいる師匠に何も相談に乗れなかった。
師弟関係、そんな言葉で俺は立場の違いを教えられた気がした。

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