「大変だ大変だ!!」
金髪をなびかせ剣を背負った青年、ミハエルがいつもの冷静さはどこにいったのか、最早キャラが崩壊する勢いでシグナス様の元へやって来た。
私はそれを見て深く嘆息した。
「どうしたのですミハエル。そんなに慌てて。丸でどこかの誰かさんみたいですよ」
その言葉を聞いて我に返ったのか、ミハエルはいつもの冷静さを取り戻し、焦ったような表情を冷静な顔へ整えた。
どこかの誰かさんが誰なのかは皆さんのご想像にお任せします。
「そ、それがですねナインハート殿。大変な事態が起きたでござるよ」
何だが語尾が未だにおかしいがそれは気にしない方向で行くことにする。
「大変な事態?一体何が起きたというのです?」
「そ、それが・・・ですね」
とにもかくにもあのミハエルがここまで狂うなど、あの日以来ではないのだろうか?
私は何が起きたのか、そして何が起きようとしているのか。
それら全てを冷静に分析し、導き出される結果を得ようとした。
ミハエルの証言それら全てを計算した結果、まさかあのような答えが導き出されるとはさすがの私も思わなかったが。
*
「全員、集まりましたね?」
私はこの場にシグナス女王陛下を除いたエレヴの重要人物、騎士団長各位を招いた。
皆は突然の収集に驚きつつも、大体暇そうにしているのですぐに集まってくれた。
「それで、どうしたというのだ?九つの心臓を持つ男よ」
「イカルト、何ですかそのネタ」
イカルトがミハエル以上に狂っているのは何故なのか。
その原因も、私はちゃんと理解していた。
理解しても尚、それが事実だと認めたくない私がいた。
「…先代女王、アリアが残した秘宝の事は知っていますね?」
「確かファントムのおっさんが持ってんだっけか?」
ホークアイが何故かぺろぺろキャンディーをなめながらそう言った。
というかファントムさん、まだ20代ですけど…。
「ええ、それです」
「それがどうしたって?おっさん」
イリーナが厚化粧をしながらそう言った。
「おっさん言うな」
私はまだ20代です。
このままでは埒があきませんね。
計算式を飛ばすのは嫌いではありますが、私は仕方なく答えだけを率直に述べる事にした。
「アリアが残したもう一つの秘宝、ゴジラモスラが見つかりました」
「な、何だってっ!?」
これは、このエレヴが闇に墜ちる寸前の物語。
多分。
というかオズがずっと無口何ですけど…。
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