ねぇ、見てよ。
え、何をって?見たらわかるでしょ!、あのたくさんの『闇』相手に・・・
「人嫌いちゃん、腕落ちたんじゃねーの?!
私よりスピードがちょっと遅くなってるよ!!」
そう言って木刀ひと振りで『闇』を倒していく鹿島 麻祢(カジマ アサネ)
「フン、こっちはハンデありなんでね、手加減してやってんだよっと!」
『いいぞー!、人間嫌いー!、そのままやっちゃえー!』
「なんで僕の名前が人間嫌いになってるんだ?!、そして
木刀になっても喋れるんだね?!」
そしていつ見ても美しい女神さまは、華麗なツッコミをしつつ
同じくまるで野菜を切っているような感覚で斬っていく。
な・・・なによこの光景・・・
『闇』と対等、いや圧倒してる?!!!
私が見た、女神さまが『闇』と出会った時も『闇』を恐れていなかったわ。
むしろ、『闇』を救ったのよ。女神さまの性格上、人助けをしてしまう
ことは知っていたけど・・・まさか人の心まで救っちゃうなんて思わなかった。
ねぇ・・・女神さま・・・
貴方は人間嫌いではなかったのですか? 人を嫌い孤独を望む人
ではなかったのですか? なぜ貴方のような人が人を救いそのような
大きな力を持ち、周りに人を集めているのですか?
あぁそうか・・・貴方は優しすぎる人でしたわね・・・
人を嫌っていても、自分が嫌だとしても、相手のことを否定せず
そのまま相手を受け止めている。相手が自分を求めるなら
口から出る言葉が悪口やひどい言葉でも、最後にはそれに応える。
貴方は・・・そういう人でしたわね。
だから人が集まってくる、だから貴方に魅了される・・・
あぁ・・・なんて素晴らしい!、私はなんて愚かな人に惚れてしまったのでしょう!!
ますます貴方を手に入れたくなっちゃった♪
「アハハハ♪、すごい!、すごいわ!! あの『闇』たちを圧倒しちゃう
なんて・・・やはり、私の目に狂いはなかった!!」
笑いが止まらないわ!
もう・・・最高!、幸せすぎる・・・!!
ねぇ・・・もっと近くで堪能させて?
闇がいる戦場に、少女Aは一気に飛び込み女神さまめがけて黒い刃を向ける。
その木刀で受け止めれるかしら?
「・・・!」
瞬時に気づいた女神さまはすぐさま受け止める体制になる。
そう来ると思ったわ・・・!!
カッキィィィィイイイイイイイイイ!!!!
剣と刀がぶつかり合う。
剣は刀をえぐるようにねじりこんでいき刀はそれを必死に防ぐ。
一回離れたと思えばもう一回ぶつかり合う。
ガキィィィ!!
火花が飛び散りそうな勢いでぶつかり合いお互い押し合う。
女神さまが押せば私は後ずさり、私が押せば女神さまが後ずさる。
力は・・・どうやら互角のようね・・・だったら!!
今度は剣が離れ、木刀を切る勢いで連続に斬っていく。
ガキィ!、キィン!、キーン!
女神さまが受け止める形で、必死に攻撃に耐えている。
いいよ・・・良いよ、その表情!!
その苦しんでいる表情がたまらないわ!!
私は興奮を押さえ込めず何度も木刀めがけて斬る!、斬る!、斬る!
ねぇ・・・もっとその表情見せて頂戴・・・ねぇ、って・・・あれ?
さっきまで苦しそうな表情をしていたのに・・・
なんで・・・なんで笑ってるの?!
幸福に満ちていた表情が一気に冷めていくのを感じた。
さっきまで表情を曇らせていた女神さまは笑っていた、笑ってこういった。
「・・・・お前、スキありすぎ」
その刹那
ビリリリ!!!
女神さまの左手から私のお腹めがけて光が飛んだ。
これは・・・スタンガン?!
私は大きく目を開きながら、倒れていった。
あとがき
( ´ー`)フゥー...ヤンデレきついwww
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