突如、スタンガンを押し当てられ少女Aは倒れていった。
「くっ!・・・・ス、スタンガンなんて卑怯よ!」
敗北を認めたくないらしく、お腹を抑えながら叫ぶ。
「誰もスタンガン使っちゃいけないなんて言ってないし、
お前だって『闇』使って複数攻撃してるし・・・」
大体その前に僕には右足重症というハンデがあったし・・・
そこら辺も考慮して欲しいものだ。
『人間嫌い・・・まさか貴様がそんな人間とは思わなかったぞ・・・』
スマホ型闇測定器、マホはそんな僕に反論をぶつける。
木刀がブルブルと震えながら言うあたり、(恐らく)ショックを受けているようだ。
「うわー、私もそれはひどすぎだと思うぞー(棒読み)」
それついでにヤンキーからも同じ批判を受ける、てか感情こもってないなぁおい!
だがそんな余裕なセリフを言えるということは・・・
周りを見ると、『闇』たちはみんな消えていた。
僕がその状況に気づいたいのかヤンキーは白い歯を出しニヒッと笑う。
「人嫌いちゃん、私だって強くなったんだぞ?」
全くヤンキーは・・・・あの頃と全く変わってないな。
僕も釣られて笑いそうになったが、それを堪える。
笑う代わりに、ヤンキーが右手を上げていたので・・・・
「ふん・・・まぁまぁってところかな」
パンッ、とハイタッチをした。
こうしてハッピーエンドで事件は終わりに向かった・・・・
なんてことはなく、本当の事件はここから始まるのだ。
よくあるお決まりだよね?
タッタッタッタッタ
階段の方から足音が聞こえたので、顔を振り向かせると
そこには霜月 満(シモツキ ミツル)の姿があった。
途中で転んだのか、あるいは『闇』に遭遇したのかわからないが
全身ボロボロで傷だらけ、そして・・・泣いていた。
僕は慌てて霜月のところに向かう。
右足の痛みがじんわりやってきたが、今はそれどころではない。
「どうしたんだ、霜月?!」
僕の声を聞いて、安心したのかその場に座ってしまった。
霜月は確か生徒会室で仕事をしてたはずだ、あ、でも僕がいつまでたっても
帰ってこないから心配してここに来たってことか・・・ってことはまさか
転校生も?!
霜月は泣きながら、声をあげた。
「グスッ早く逃げて!、黒幕の本当の狙いはきーちゃんを
捕まえるだけじゃない!
『闇』を倒させて、
塵となった『闇』を使ってこの街を破壊しようとしてるの!!」
僕は大きく目を開き、すぐさま黒幕である少女Aに振り向く。
少女Aはまだ動けないのか倒れたまま無邪気に不気味に笑っていた、
すべてを分かりきったように。
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