光に包まれた町の中でギルドの仲間が話している光景……
暖かな空気が流れ、みんなが笑っている。
その中には全身を黒に染めたその場に合わない人間が混ざっていた。
自分だけが気付いているようだ…
見たことのない装備をつけ、手にはナイフを握っていた。
ん?
目を凝らした。
:あれ?さっきまで握っていたナイフは・・・?
:消えていく・・・・・・
奴が持っていたナイフは、手の中から黒いなにかとなって、空へと登って行った。
奴は何も持っていない。
頭から被っていたフードも消えたのだが、光が向こうから差しているため髪型や顔は影となって分からない。
しかし冷たい表情をしているのは、彼の出すオーラから察せられた。
危ない、仲間が・・・
直感で感じた。
いつの間にか空は暗くなり、雲行きが怪しくなっていた。
それに隠れるように奴も次第に見え無くなってゆく・・・
:暗くなってきたね。そろそろ帰ろうか
仲間の一人が言った。
それに続くようにみんなが去って行く。
その場には自分と奴しかいなくなってしまった。
不意に風が吹き、遮っていた雲に穴が空く。
彼の姿が一瞬だけ・・・・・・
ぃや、見えはしなかった。
ほんのかすかな線。
奴の顔が自分には見えたのだ。
:!!!!
それは、自分であった。 ・・・・・・
ただ、自分ではない。
奴は、全身から血を出し、 目を開けているのかも分からないくらい首をうな垂れていた。
:_____っ_____………。 っ……生きろ………
:!??? ???
あまりの衝撃に意識が彷徨う。
自分の顔から血が引くのと同じように、
急に辺りから光は消え失せ、何もない闇に戻された。
…「…ぃっ…………きろっ……。おいっ」
:? (何かが聞こえたような、)
「おいっ!起きろっなに倒れてんだよっ…」
闇の中、倒れたまま目を擦りながら見上げると、そこには彼が立っていた。
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