初めまして。私の名前はたまごかです。
私は“にんじん”という村でお母さんと二人で暮らしています。
お父さんは一年前の大戦争で強そうな男の人たちに襲われて、命を落としました。
今日はそのお父さんの命日。それと、私の十九歳の誕生日でもあります。
だから、今日は村で一番おいしいキャロットウモロコシという、メニューのほとんどがニンジン関係の高級レストランに連れていってもらいました。
私はこのお店の主力メニューの“ニンジンのトウモロコシ詰め”というのが昔からすごく好きで、ここに来るときは良く食べていたんです!もちろん今日も食べて、お母さんと寒々とした夜道を話しながら歩いていました。
そしたら、怪しげな人たちが話しかけてきたんです。
精神非異常者「うす、二人とも。俺の名前は精神非異常者。聖同性愛騎士団という団で団長をやらせてもらっている。以後よろしく」
精神非異常者(これからはアブノと呼びます)という男の体つきはとてもよくて、身長は2mを優に超えてました。腕は大木のように太くて、人間のようには見えませんでした。
たまごかママ「…?」
精神非異常者「いきなりすみません。たまごかさんをもらいに来た。世界を救ったら返すので、それまで借ります」
そういうと、暗闇の中から一人の男が飛び出し、あっという間に私を担ぎ上げてその場から走り去っていきました。
たまごかママ「え?」
精神非異常者「エル!自宅へと急げ!! この方は私たちが死んでも止める!!さあ行け!!誘拐の時間だぞ!!」
私は必死に暴れましたが、エルという男性は離してくれそうにありませんでした。しばらく暴れていると後頭部に強い衝撃が走って、私の意識はなくなりました。この次、起きたときには―――。
たまごかママ「たまごかを返してえええええええ」
たまごかの母――ひよこかの声が、暗闇に響いた。
だが、このにんじん村は1年前にHomoとRezuの怒涛の攻撃を受け、ほぼ全滅。生き残りはたまごか、ひよこか、キャロットウモロコシの店長、それと数人の老人しかいなかった。そのため、いくら叫んでも助けが来ることはなかった。
精神非異常者「ひよこかさん、娘に悪いことはしねえ。だから安心して俺らに預けてほし い。今、この世界は同性愛者によって支配されようとしているんだ…。30年前に何百万というロリコンとショタコンがこの世界の子供たちを支配しようと、襲来してきたように…だから、世界を救うためにたまごかさんを借りる。いいですな?」
ひよこか「たまごかに世界を救える力なんてありません!返してください!!」
アブノは気怠そうにため息を吐くと、大声を出した。
精神非異常者「おいお前ら!朝の8時までこの方を止めておけ。8時になったら解放してやれ、そして俺の家に報酬をもらいに来い。それじゃあ明日会うぞ」
ひよこか「ちょっと、たまごかを………たまごかを返して!ねえ、離して!!」
たくましい身体つきの男たちがひよこかをしっかりと、囲んだのを見届けた 彼は、走り去っていったエルの後を追いかけはじめた。
ひよこかの断末魔ともとれる叫びを背に………。
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