えぴそーど1
geiは身を助ける――Episode1 Gay stands by you――
たまごか「痛・・・首痛い・・・」
私は首の痛さと朝日のまぶしさで目を覚ましました。
屋根裏のような・・・とにかく狭いところで目を覚ましました。
たまごか「・・・ここどこ?」
精神非異常者「ここは俺の家だ」
たまごか「ひい?!」
髭の生やしたガタイの良い男の人が頬を赤らめながら、頭だけちょこんと出してこっちを見てました。
私は今思い出しました。昨日、この人たちに襲われたことを・・・。
精神非異常者「それじゃあ俺働きに行ってくるから。エル、ちゃんと説得してやりなさい」
KエルッK「はい」
階段を下りて行った人が言ったエルって言葉に、昨日の光景が目に浮かびました。
サイクロプスみたいな人が家から出て行ったのを二階の今、私が寝ていた場所から確認すると、木のハシゴを素早くおりました。
KエルッK「初めまして、たまごかさん」
たまごか「は、はじめまして・・・」
昨晩のことがあったので乱暴なヤツかと思いましたが、そんなことはありませんでした。
エルってひとは整った顔立ちの人で、さっきの大男とは全然違いました。ほんの少しだけ心が揺らぎました。
KエルッK「その・・・昨日の夜はすみませんでした。乱暴なことしちゃって」
たまごか「いいですけど・・・あの、私村に帰れますか?」
エルは苦笑いして首を横に振りました。
KエルッK「しばらくは難しいです。この世界を同性愛者の支配から解放するまで、貴方の力をお借りしたいんです」
力って言われてなんのことだかさっぱりだと言いますと、彼はこう答えました。
KエルッK「たまごかさんは風見鶏一族という、眼力に長けた一族です。個体差は多少あっても、ほとんど全員が目の力で色々なものを動かしてきました。なのでたまごかさんもきっとすごいちからで・・・」
最初はエルって人の見た目にほんの少し惹かれましたが、よくよく考えたらこの人たちは誘拐犯じゃないですか。
そのことを改めて認識した私は駄々をこねました。
たまごか「いやです!村にかえしてください!誘拐する人たちとは一緒に暮らしたくないです!かえしてえええええ村にいいいいいいいい」(バン!バン!
KエルッK「わわ。たまごかさん、机を叩かずに落ち着いて下さい。私どもはたまごかさんを死守するつもりですし、必要のない苦労はかけさせないつもりです。衣食住全て私たちがなんとかします。たまごかさんはただ、自分の目の力を高めることだけに集中して頂ければいいのです」
丁寧な言い方で言われた内容にも惹かれました。
だけど、まだ問題がいくつかありました。
たまごか「ですけど・・・知らない男の人達と何晩も一緒の屋根の下で寝るなんて嫌です・・・」
KエルッK「ああ、それならご安心を。私ども、聖同性愛騎士団は異性愛者であることを捨てた者たちの集まりですから」
たまごか「え?」
KエルK「同性愛者ですから」
エルさんが同性愛者だと聞いてガッカリした反面、同性愛者なら大丈夫かな、と一瞬でも考えてしまった私はおかしいでしょうか。
結局、凄い大金を毎月お母さんに送ることと、生活した内容を全部手紙で毎日送ること。そして、いやになったらいつでも解放してくれることを条件で私は同性愛騎士団というワケのわからない騎士団に加入することになりました。
それから、私は色々な話をエルさんから聞かされました。
この世界がどれだけ、深刻な状況に陥っているかを・・・。
KエルッK「この世界は今、同性愛者、主に男の方に支配されています。異性愛者は一%にも満ちません」
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