メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
RenAshbell彡
ワールド:
なつめ

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創作物語

仮面の化物 第三章 化物 8/8 日付:2013.10.28 21:48 表示回数:413

城崎が首を絞められる光景を見て無意識のうちに体を動かした。僕がした行動は実に簡単だった。体を走ることにより加速させ、左足で地面を思いっきり踏み込み相手の体の重心線に垂直に右足で蹴る。化物相手にはいささか不利な技ではあるが、人の形をしている相手には不意打ちとしては十分な効果を得られる。
不意を付かれよろめいているうちに僕は城崎の安否を確かめる。相当強い力で首を絞められていたのだろう。首にはうっすらと痣ができている。こういう時の対処法を保険の授業で習った気がするが僕は落ち着きを取り戻していないのか中々思い出すことができなかった。僕は人並みに焦っているのか…?
「ゴホッゴホッ…」
城崎は新鮮な空気を求めて咳き込む。どうやら無事みたいだ。とりあえず意識を戻すために方を揺する。あまり揺らしすぎないように慎重に慎重にする。
「え!?」
「ごめん!城崎大丈夫か!?」
僕は意識を取り戻した城崎を見てようやく胸のつかえが取れた。一瞬、城崎が死んでしまうという未来を思い浮かべゾッとしたが、ほんとに無事生きていてよかった。
「ごめん。悪かった!一人して…!」
「え?りょー?」
城崎はびっくりしている様子だった。僕も落ち着かないといけないようだ。僕は目線をもう一人の加害者のほうへと抜ける。佐倉姉の形をしたものは数メートル先でまだ横たわっている。しかし、この目の間にいる物が化物であることは十分にわかる。僕が蹴り飛ばした部分が凹んでいる。それも通常の人間ではありえないくらい。更に言うと口元から『何か』がはみ出ている。漆黒でいて何か触手のような物が…。先程からピクピクと蠢いている。
「きゃあああ!?」
城崎はこの光景を見て口元を抑えている。それほどグロテスクな光景であった。
そしてついにもぞもぞ動き出す。その目に光はなく最早人間味などない姿でこちらを見据えて静止する。
おそらくこの化物は佐倉姉を殺したあの影の化物で、佐倉姉の遺体を皮のようにして被ったのだろう。そして我々を油断させて始末させようとしたのだ。誤算は城崎に見つかって本物だと認識されなかったことであろう。
多分神隠しの本質はここにあるのだろう。おそらくあの事件の被害者は全てこの化物に入れ替わっているのだろう。それも本人に完全になりすまして少しずつ数を増やし言っている。トリガーはおそらく『本物でないと知られてしまった』で知られた場合はこの異世界に迷い込ませ化物に襲わせて中身を入れ替える。
僕は自分の推測ながら嫌悪感を隠せきれなかった。
そうしている考えている間にも佐倉姉らしきものはまったく動きを見せない。何か様子がおかしい。
「「!?」」
すると口から黒い液体をぶちまけ始めた。ドロドロと口から溢れでてくる。またその液体は電気の光が当たるとおぞましい鳴き声をあげる。あの化物ように。そして佐倉姉の体の中身を出していくように体積が徐々に減っていきすぐに皮だけになる。ぶちまけた黒い液体は最後のあがきなのかこちら少しずつ迫ってくるがそのうちに存在が消えてなく成った。その言葉の通り忽然と消えていく。
「なにこれ…?」
「さぁ?」
僕達は突然のことに唖然となりしばらく動きを止めざるなかった。それに追い打ちをかけるように『世界』が暗転した。先ほど点いていた電気は消え先ほどまでの同じ宿直室にいるにも関わらず先ほどと比べて嫌な空気が亡くなった。
「元に戻ったの…?」
城崎はボソッと呟く。おそらくそうだろう。
僕達は無事に元の世界に戻ってこれたようだ。
………………………………………………………………………………
[あとがく]
やっと異世界編が終わった……。
ラストスパートまで頑張ろう…!

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