メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
RenAshbell彡
ワールド:
なつめ

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創作物語

仮面の化物 第四章 真実 1/10 日付:2013.11.04 02:14 表示回数:495

あれから…。城崎をまず病院に連れていった。大丈夫とと言えるほど落ち着いたようだが保険のために行かせた。
なにせ深夜であったのかあまりいい顔されなかったが痣ができただけで大事には至らなかった。明らかに首を絞められたあとなので訝しまられたがうまいこと誤魔化した。おそらく精神的に不安定である城崎を自宅まで送った。
僕自身も緊張感が一気に抜けたせいか身体がかなり重い。あんな体験をしてすぐに家に帰って寝れるような気はしないが明日のことを考えると身体を休めておきたい。考えなければいけないことは色々ありすぎるが、僕は一刻も早く慣れ親しんだ自分の部屋帰ってベッドに直行したい。今更ながら僕は死に近づいたことに実感する。
(ドクン)
「!?」
僕は『死』というワードに引っかかりを覚えた。この既視感はなんだろう。僕は心当たりがないか、記憶を辿るが期待に添えるような記憶はまったくはない。おそらく気のせいなのか?僕はもやもやとしたなんとも言えない歯がゆい感情を覚えたがそこで考えることをやめた。
そうしているうちに慣れ親しんだアパートに着いた。僕は鍵を開けて部屋に入ろうとした。しかし何故か鍵がかかった。
「…誰かいるのか?」
部屋の鍵が開いている。朝、家を出た時は鍵をしめたはずだ。それでいて深夜に関わらず電気が点いていない。
僕は警戒をしつつもう一度鍵を開けて中を慎重に自室に入る。まずは明かりをつけないと…。
「甘い」
「は?」
衝撃とともに僕の視界は反転する。僕は気が動転していて思考が回らない。自分が床に這っていることに気づく。いやいや落ち着かなければ今更ながら平常心を…。
「かーさん?」
「正解。40点」
そうすると明かりが点けられる。白いシャツにジーパンの組み合わせの僕と同じくらいの背で長い髪を後ろでまとめた女性がいる。数日前に電話した我が母の姿があった。しかもオン時の形態である。
「涼。鈍ってんじゃない?」
「…………なんでここに?」
質問を質問で返すのは馬鹿の諸行だが僕は聞かずにいられなかった。かーさんはとーさんと共に仕事のはずである。なぜここにいるのだろうか。しかも今日に限ってなぜ抜き打ちチェックをするんだ。しばらく帰ってこないって言ったのに。
「息子が心配だったに決まってるでしょう」
そうですよね…。僕はあまりにも真っ当な理由に反論する気が失せた。
「ならもうちょっと普通に家で待っててよ…」
「待ってたわよ。ただ涼がいつになっても帰ってこないし。私、夜遊びする子に育てた覚えないんだけど?」
全面的にこちらの旗色が悪いようだ。今日はたまたま運が無かったとしかいいようにないのか。
「ごめん。用事があって…」
僕が何かを言おうとするとかーさんの目がさらに険しくなる。かなりご立腹なようだ。
「用事って何?まさかこの前に言ってたクラブ活動じゃないわよね?」
「それは…」
異世界に迷い込んで化物に襲われてましたなんて言ったら精神科に連れて行かれるし。あぁ、今日は厄日なのだろうか。部活動にするにはあまりに時間が遅すぎる。
しかし、気づくべきだった。不幸は重なるときにはとことん重なるものだと…。
PPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPPP…
無常にもこんな時に限って携帯電話が泣き叫ぶ。いや多分あいつしかいないけど。
「ちょっと電話が…」
「てい」
コンマ数秒の反射神経を使って携帯を奪取され…
『あのりょー今大丈夫?』
「ほう……女の子」
『だ、だれ?』
かーさんの特別に冷えきった声が聞こえ僕は現実逃避を始める。
………………………………………………………………………………
[あとがく]
怒涛の新章!最初書き始めたときは続けられるかなとおもったけど…!
ここまでこれましたー。

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