メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
RenAshbell彡
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なつめ

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創作物語

仮面の化物 第四章 真実 2/10 日付:2013.11.05 23:53 表示回数:473

「でなにか言い訳はあるかしら?」
24時間営業のファミレスの窓側の席で母は僕と城崎にそう言い放つ。
あれからの母の行動は迅速だった。僕を車に載せて城崎を回収してここに至る。にしても城崎の家の人と話してた見ただけどほんとにこの人何言ったんだろう…?まだそれほど時間が立ってないのにも関わらず僕達はまた再会することになる。
「言い訳も何もないんだけど?」
僕はそう言うしか無かった。オン時の母はできれば怖いので早く元に戻ってくるとかなり嬉しい。
「そんな誤魔化しが聞くと思ってんの?それに杏奈ちゃんだったっけ?その首どうしたのかな?」
「いえ、あのこれは…」
やはりそこをついてくるのか。
「それは…」
僕は城崎に助け舟を出そうとするが母はそれを制する。
「……これでわかったでしょ?下手な好奇心は破滅以外のなんでもないって…」
「は?」
僕は母が言っていることの意味を図ることができなかった。その言い方ではまるで僕達が危険を犯したような言い回しである。この人は何か知っているのだろうか。
「涼。不思議そうな顔ね?いやでも分かるわよ。その子の首と涼の右足の様子からね」
「なんで…?」
城崎もイマイチ状況が読めないようだ。
「その子の首包帯で見えないけど結構すごい力で首が絞められたでしょ?あと涼、右足に負担をかけ過ぎて重心線がズレてるわよ」
城崎のともかく確かになりふり構わず蹴り飛ばした感じはあった。あれだけの力を掛けたのだから右足にも相応な負担がかかったに違いない。僕でも無意識だったものを気づくとはやはりの母の人間離れには驚きが隠せない。重心線うんぬんの話は武道を嗜んでいたからわかったんだろうけど。肩の力を抜いて目線を城崎の方へ向けると目があった。もちろん確認のために…。
「さぁ話してもらうわよ」
………………………………………………………………………………
「化物と入れ替わりねえ」
話を聞いた母は最後まで話しを聞いてくれた。一方的に夢だとも排斥せずにただただ黙り話を聞き、聞き終わるとそう言った。
「まるでオーガスト・ダーレスのおとぎ話よね」
「なにそれ…?」
詳しくは知らないが、確かあの『神話』の体系化を行った人のはずだ。
僕もうる覚えなんだから城崎もなんかもっとチンプンカンプンなんだろう。作品もかなりあるはずその中で僕達が体験したようなものはあっただろうか?
「ほんとにオカルト研究部なの?」
確かにそのとおりだ。母が呆れの眼差しを向けてくる。しかし、一般的な高校生が知っている知識でもないと思う。あの『神話』の原作は結構ヘビーだと聞く。
「かーさん。マイナーな部活動にそんな期待されても困るよ」
「確かにそうね。一般人が読むには中々ハードな内容ではあるわね」
何の話をしているのかさっぱりわからない城崎はパフェを貪っている。城崎は思考停止しはじめたらしい。
「彼の作品の中の『闇に棲みつくもの』って言ってね。長くなるから大まかな部分しか言わないけどアメリカのとある場所でへんてこな化物の出現。それを調査しに行った学者がしばらく行方不明になったと思ったらふと帰ってくる。それで実は帰って来た学者は実はその化物に中身を喰われて乗り移られたって言うお話よ」
「それこの事件とかなり似てるじゃん」
確かに城崎の言うとおり表面上は似てるんだけど相手にしたものがとんでもない『化物』になる。たまたま似た話があった言う方が正しいだろう。ましてそんなもの蹴りで倒せるはずもない。
「まぁ大体はわかったけど。涼と杏奈ちゃんヘタすれば死んでいたの分かる?」
「「はい」」
確かにこの事件に関わらなければあんなことにはならなくても済んだ。下手をすれば僕達は化物に殺されていたのだろう。元の世界に戻ってからその感覚からは抜けられない。
「いい?もうこんな危険なことしないで…」
僕は初めて見せた母の悲痛な顔に焦ってしまう。今までこんな顔した母を見たことがない。心配してくれているんだろうけどそれよりも強いものを感じる。
「……」
僕はこの場でこのまま引き下がるつもりはない。ただ今の母の表情を見て言えるはずなどなかった。
………………………………………………………………………………
[あとがき]
なんかだらだら書きそうで怖い……

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