この格好そろそろ変えないと何か怖いって思い始めた。サンタ服に不気味な仮面、そして手には鋭利な剣・・・・・・ブラックすぎる。
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ペリオンの外周は広いもので、なかなか正面の門へとはたどり着かない。
その間にも頭上からは爆発音、人の雄たけび、地鳴りなどが常時伝わってくるので、焦燥感を掻き立てられないわけがなく、とにかく焦っていた。
それでも俺は必死に走っていた。それは多分誰かを助けたいとかではないと思う。というより、この状況下で助けられる人はほとんどいない、そう言っていいほどの激しさだった。
俺が思っていたのは多分、認めたくない、だった。
隊長のミハエルが昏睡状態で落ちてきた事、ペリオンが破られた事―――――いやもっとまえからだ。
バルログとの戦闘で己の臆病さを知り、そしてユタの家では非力を。
もしヘレナが居なかったらどうなっていただろう?己すら守ることができずに、仲間に助けられている俺はなんてこんなに―――――――
そういう事も含めた上での、認めたくない、なんだろう。
だから、俺はもう走るしかなかった。
「はぁ、はぁ、あ、あった!」
しばらく走るとその門はあった。はずだった――――――
「・・・・・・おぬしはこれをどう受け止める?」
「どうって・・・・・・相当酷いとしか・・・・・・」
何かが欠け落ちていた。本来あるべき場所にあるべきものがなかった。
それは”門”だった。
門と言っても、岩盤に囲まれた所に掘って作られた入口にふたをする。そんな役割なのだが、その門は異常に頑丈であり、触っただけで直感的に質量が分かってしまうほど重いものなのだ。
それが、跡形もなく消え去っていたのだった。
驚いてあいた口がふさがらないとはこういうことで、俺とユタは少しの間絶句していた。
最早これだけで分かることが一つある。敵の強さだ。
「・・・・・・行くしかないんだ」
「そうじゃな・・・・・・いまさら武者震いなどせぬ」
強い、強すぎて敵わない敵だろう。しかしそれでも何故か足は前へと動いていた。
認めたくないと現実逃避していた俺に心が反抗しているのだろう。戦場へ行って自分の目で見て確かめろと、いい加減に非力を認めろと。
そんな事を分からない俺は、無我のままゆっくりと歩いてペリオンに入ろうとした、ちょうどその時―――――
「待て!入るんじゃない!」
誰かに咎められて俺の脚は止まり、そして声のする後ろ側を向いた。この声はユタの声ではなかった。現にユタも後ろを向いている。
じゃあ誰の声だ。
後ろを向くと、黒い人が見えた。全身が黒で、所々負傷している。それでいてなおかつ割れた仮面の半分から見えるその整った顔は白く浮き上がっていた。
どこかで見たことある。そういえばこの人はあの例の騎士団の――――――――
なぜこんな所にいるのか、その疑問と驚きを名前に乗せて言った
「・・・・・・イカルト分隊長、どうして」
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あー原稿とか書いてなくて最終的に風呂で寝落ちしたりして、文章がガタガタです。
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