メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
戦x隼人x士
ワールド:
なつめ

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創作物語

君の元へ ♯30 日付:2013.12.28 23:26 表示回数:422

「誰、なんだよ」
「そんなことはどうでもいい。すぐに死ぬ運命なのだから」
イカルトは口元を笑みで歪ませた。それは至って獰猛だった。
俺はユタにアイコンタクトした。そして俺たちはそれぞれ武器を鞘から抜いた。

「戦う、か。苦しむだけだ」
そしてイカルトは腰にぶら下がってる鞘から短剣を引き抜こうとした―――――が、
「・・・・・・今だ!!」
俺はもう片方の手で肩に背負っていたトマホークを全力で投げた。そのためイカルトは腰に行こうとしていた手をぴたりと止め、こちらを凝視してくる。
俺たちはそれと同時に目標めがけて走った。少し先には縦に回転し空気を引き裂きながら突き進むトマホークがあった。

トマホークを投げる というのは誰しもできる技ではなく、それ相応の肩の強さと技術が必要なのだ。なんせサイズが片腕一本分の長さがあるのだ。これに関しては戦士しか使えない事である。
そのため、そのトマホークを避ける、もしくは何かしらではじくためには、必ずとも一瞬意識がそちらへ傾かなければならない。そしてその隙に一気に加速して間合いを縮めて接近戦で戦おうといったこんたんだ。

ユタにはその事は言っていないが、こんな状況下でそんなものをむやみに投げてはいないということぐらいは分かっているだろう。


そしてその状況は起こった。イカルトはそれを回避するために防ぐのではなく避けるを選んだ。意識がそちらへ向き、そして体が半身になったのを見計らって、俺たちは一気にイカルトへ急接近していった。


「・・・・・・!!!」
一瞬だかトマホークと光輝達の存在が重なり、そして最終的には意識がトマホークへと向いてしまっていた。そのためイカルトは驚きで目を見開いていた。

「うぉぉぉぉぉ!」
俺は叫び声とともにイカルトへ斬撃を食らわせようとユタとともに鉛直下向きから切り上げた。

俺は右足、ユタは左足を捉えたその攻撃は確かに肉の感触を掴み、そしてそのあとにきた引き裂く感触によって成功したと確信した。


――――――――だがそれは嘘、だった。



「・・・・・・なっ・・・・・・!」
「これは一体・・・・・・」
突っ込んだ余韻によって身動きが取れない状況のなか、それは起こった。

確かにイカルトへ攻撃を食らわした。疑いようもない事実が目の前にあった。にも関わらず間違っていて、引き裂いたそれは突然紫の煙を撒き散らして爆散したのだ。
霧とも言えるその紫いろの煙は濃く、数メートルしか離れていないユタが見えるか見えないかの状態だった。

この時、俺たちはすでに過ちを犯していた。

「お、おい、そろそろ抜けな・・・・・・い、と・・・・・・・」
「望月殿!?どうなさ・・・・・・・」
急にめまいと頭がじんとする感覚に襲われ、俺とユタの意識は奪われていた。


「ポイズンボム・・・・・・形だけに囚われない事だ・・・・・・」
その紫の――――毒煙が周囲に散って晴れたころ、イカルトが見下ろす中俺とユタは麻薬によって深い眠りへと落ちて行ってしまっていた――――――――――――――。





深い眠りへと落ちて行った二人の戦士。こいつらの息の合いようはおかしいほどだった。
言葉を交わさずとも息のあった行動をする―――――――それは今後脅威になる事を意味していた。

強くなる、その前に排除しておかなければ脅威になる。


そう思い、再び短剣を引き抜こうとしたときだった




「意識無いのに、あとで呪われちゃうかもよ?イカルトさん」

驚愕し、脊椎反射で後ろにいるそいつから間合いを取ろうとした―――――――が、遅かった。

「がはっ……」


背中から何やら反しの付いた刀を腹部に刺されてしまい、痛みとともに意識が薄れて行った。


力が抜け、倒れた俺をよそにそいつは2人の元へと近づいて行った。




掠れて見えなくなる視界の中、かろうじて見えた黒フードを被ったそいつは、眠っている2人にこう言った。





「はぁ・・・・・・こりゃ秘桜蔭につれていくしかないか・・・・・・」




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