メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
戦x隼人x士
ワールド:
なつめ

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創作物語

君の元へ ♯31 日付:2014.01.01 18:01 表示回数:406

今回は主人公視点です。  遅れましたがあけましておめでとうございます!
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両サイドの頬にプニプニとした感触がした。柔らかくて温かい。若干の鈍痛がするが、そこまで悪い気分ではなく、むしろ頭の中がスッキリした感じだった。

まるで ふにゅ と聞こえてきそうな頬に当たるそれは一体なんだろうか。少しの期待を手に俺は目を開け――――――――ると一瞬にしてその希望は断たれた。一気に倦怠感に見舞われた。そしてなにより

否めないデジャヴ感。


「あ、やっと起きた!おはよー!」
「・・・・・・起きるんじゃなかった」
目を開けるとそこにいたのはピンクの滑らかな素肌、紫の毒々しい二つの角、手足はマスコットキャラクターの様に短く、瞳は右が白、左が黒となんとも奇妙な怪物


ピンクビーンだ。


初めて会った時は気絶するほど驚いたのが、3回目となると慣れてしまった。
現在俺は時間の神殿という所にいる。冷たい石畳に少し古びた石柱、遠くを見ると青い空に白い雲。時折吹く冷たい風のせいか、古代文明に栄えたのような終点の見えないこの大きな神殿はどこか神々しいものを感じた。まるで昔神様がいた、そんな所だ。

そのように物思いにふけて神殿の外の空を茫然と見つめていると、ピンクボーンは体をまげて目の前に現れた。
「大丈夫?顔色悪いよ?」
考え事はしていたが、そんな顔色をしていたのだろか。よくわからなかった。
「大丈夫だ。とりあえずなんで俺はここにいるのか話し―――――――」
「本当に?あ、じゃあ先にお風呂にする?食事にする?それとも・・・・・・」
そのあとピンクビーンは下を向き妙にモジモジしていた。
「・・・・・・・・・・・・はぁ」
「それだけ!?もっとのってくれてもいいと思うよ!?ねぇ!?」
まるで少年のような元気でつらつな声で言ってくるので、構うだけで疲れてくる。
話つづけたら終わりがないというかなんというか。

その後もしばしピンクビーンのそれに付き合っていたが、俺が疲れて沈黙を貫き始めたのでピンクビーン独り歩きしていた会話は途切れた。


そうして沈黙が続き冷たい風に静かに煽られる中、俺は忘れていた目的を話した。
「そうだ、最後に記憶がどうとか言ってたけど何のことだ?」
そう言うとピンクビーンはバツが悪そうな顔になった。まさかまた変な事を言うんじゃないかと思った。
「あーそれね。ちょっと長くなるけど、いい?」
しかし、今度は普通に受け答えしてくれたので、俺は肯いた。
それを受け取ってか、ピンクビーンは再び口をひらいた。
「唐突だけど、ここがなんで時間の神殿って呼ばれているか分かる?」
「エリニア図書館で読んだことあるけど、過去に戻ることができるから」
ピンクビーンは少し唸った後に首を横に振った。
「少し違うね。過去なんかに戻ることはできないよ。」
「え、じゃあ図書館でみたことは嘘だってこと?」
「・・・・・・そうとも言い切れないね。なんたって―――――――」
そこまで言って急に黙った。なんだよ。そこまで聞いちゃうときになるじゃないか。

だがピンクビーンは不意に黙ったのではなく、言ってはいけない事を言おうか言うまいか悩んでいるような素振りをしていた。
少しした頃、話す気になったのか よし と小さい声で呟いてから続きを話してくれた。

「あのね、ここが時間の神殿って呼ばれた由来はね―――――――」
「おう・・・・・・」
妙に意味有り気な間隔を出してくる。なにか悪い事があるのだろうかと不安になった。
そんな事を思っているのもつかの間、ピンクビーンは話し出した。



「過去へと飛んで行った年数分だけ、自分の生きていたであろう未来。つまり自身の時間が、代償としてなくなり、そして何より・・・・・・・・・・・・当時自分が見ていた世界、その場所の記憶が元となった過去しか行くことができない。今は行ったことある場所でも、当時行ったことがなかったなら行くことはできない。記憶に元づいた過去の時間(とき)へと遡っていく。そしてそこで行われた変換は無数にある未来の枝葉となって本来の時間の軌道となって正常に繋がっていく事ができる唯一の場所。だから、時間の神殿なんだ。」
「えっと・・・・・・つまり?」
一気に聞いたせいで何がなんだかよくわからなかった。頭がこんがらがって話が見えなかった。代償?記憶?本来の時間?もう何がなんだか意味不明だ。


そんな顔をみたピンクビーンは「あぁ、これだから人間は」と言ってるかのような嘲笑を思わせるように長い溜息をついた。

・・・・・・しょうがないだろ。人間なんだから。

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