メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
jbhvjv
ワールド:
かえで

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創作物語

浮遊:85 日付:2014.11.26 22:48 表示回数:521




棒高跳びというのは、危険な競技である
一つ間違えれば、それはマンション二階建ての高さから落ちるような
時に選手としてでなく、人としての生きる上での障害が出るほどの怪我を負うことがある
御廉國也も、そのうちの一人だ

一つの事故だった
それは、慣れが及ぼしたたった一つの事故、バーを越えられると信じるがゆえだった
最高点でバーが二つに折れた、放り出された御廉の身体は地面に叩きつけられた

意識がとんだ

次に気付いたところは白い天井、病院だった
そのまた次に気づけば自分の体のあちこちに言葉にならない激痛がはしる
両腕をひどく骨折、右足を複雑骨折、その他あちこちに打撲…といった、凄惨たるものだった

全国大会が夢で、取り柄はこれしかなかった少年にとって、この怪我は希望の断絶に等しかった
死んだも同然だった

しかし、決して諦めなかった
リハビリで走れるまでに回復した足で、少年は走った
両腕にギプス、しかし、現実は努力で空白の時間が賄えるほど、甘くはなかった

フラッシュバックが、今度は彼の行く道を阻んだ
最高点が怖い
あの頃はあの景色が好きだったが、今では自分を苛ませる場に過ぎなくなっていた
思い出すのだ、地面との接触する瞬間を、痛みを、恐ろしさを

こうして、御廉國也は、跳べないジャンパーとなってしまった

しかし、彼の目に毎日嫌という程まで映るのは、皮肉にも
自分が立ちたいと思ったてっぺんで戦うトップクラスのチームメイトだったのだ

しかし、御廉國也はそれでも腐らなかった
自らの力の限界を悟るという時点でそこが既に限界だと知っている
だから、御廉國也は限界という言葉を決して吐かなかった

まずは初歩から
自分の知る一番低い高さで跳ぼうとしたが、高さが上がっていくにつれ、自身の躰の髄に焼きついたあの光景が、邪魔をする

そんなときだった
御廉國也に「本当の」限界が訪れたのは

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