メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
jbhvjv
ワールド:
かえで

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創作物語

浮遊:86 日付:2014.11.27 19:09 表示回数:523





今年の1月
シーズンがあと2ヶ月で始まろうという頃
ようやく走ることに関しては全開状態の足に、激痛がはしった
御廉はすぐに分かった

「…後遺症か……」

医師の診断は、関節周りの可動域が減少してしまっているとのことだった

「過度な運動なさってます?」

「陸上…棒高跳び…やってんですけど…」

「…なるほどねえ…
言いづらいんだが、君の怪我は思ったより深刻だった
これ以上の障害となると、足が不随になるだとかある
……実を言うと怪我を見たときは絶望していたんだ、こう歩けるだけでも奇跡的な怪我だったんだ、君は」

御廉國也は、生まれて初めて、最も好きなものを奪われた




「怪我の調子はどうなんだ、國也」

仁川の、その悪意のない問いが、御廉の胸を刺した
だが、御廉はケロッと笑ってこう答えた

「次の試合、ようやく出られるんだ
ちょっと怖いけど、やれるならやるしかないよな!」

御廉は、そうか、とはかなげに答えるしかできない

醜い男だ仁川創

仁川のなかでそんな感情が渦巻く

仁川は、御廉の怪我の具合と、横で傍観者という立場であることしかできない自分の醜悪さを知る
向こう10年のリハビリで漸く全快出来ることも
だが、親友の決意を止められない自分が一番醜いのだと
きっと次の試合で、陸上選手、御廉國也は死ぬだろう
けれど、奴の決心は決して揺らがないのを知っている

最後にてっぺんを見たいのだ、彼は

分かっていたから、だから、止められなかった

「練習か…行くか」

仁川は返す言葉を模索するより立ち上がった

「そうだな」

と、少しだけ、足に痛みが走るのを我慢して、御廉はその重たい腰を上げた

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