メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
jbhvjv
ワールド:
かえで

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創作物語

浮遊:87 日付:2014.11.28 22:33 表示回数:456





あと、2週間後と、3週間後に最後の、全国大会への切符を手にする大会がある
海堂、仁川、御廉、甲斐、そして新福は息巻いていた
彼等は皆、今日に至るまで全国出場権をまだ得ていないのである

日本トップレベルの中学生と競い合う
そのための切符

「………遠藤」

「なんでしょう海堂さん」

「…日本記録…あったよな…」

「…は…はい…」

遠藤は怯えていた
実はあれちょっとファール気味だったけど皆自分ばっか見ててファール判定取られなかった
なんて事を知られているのでは、と

「…イイなぁ…それでこそ叩き潰し合いが捗るなぁ!」

「…ひ、ひい…」

「なんて考えは、もう捨てた」

遠藤は少し意外だった
あんなに俺を蹴落とすことに夢中だったこの人が
すっぱりそれをやめるなんて

「今度の試合は、正々堂々
漸く真正面からぶつかって壊れない奴が居るんだ、楽しもうぜ」

その目は何処かで、歓喜にあふれていた
この前見せていた彼の好戦的で毒々しい目は消え失せていた

海堂は助走をつけて、ロイター板を踏み越えていった

「正々堂々…くそっ、ファールしてたの、バレてた!」

遠藤は嘆いた

海堂は着地した地面に五体を投げ出し空を仰いでいた

「クソ暑い…」

考えたのは
海江の事だった
事故の存在を問われて、それを闇に葬るがため、それは償いのためか、自分の命を絶ったと聞かされた時、一概の興味もなかった
それはきっと奴の逃げだと思ったからだ
海堂は海江が嫌いだ
結局、最強の世代を組み、蹂躙した彼も、結果ただの保身的な人間にすぎなかったのだから

久しぶりに帰った円心館

シラけたツラが累々としていたら、もうここを去ってしまおうと思った
彼の目に映ったのは
海江の教え子が、それも事故で足が使えなくなり、走ることを断たれた男が、また陸上に携わっていた姿だった

「海江…お前の残したものは、小せえとばっか思ったが
死んで初めて知ったぞ」

汗が砂に染みていく

「海堂さん、跳べません、あの」

「あー…」

「悪い」

雲が疾く通り過ぎ、午前の薄雲は、真昼になりつつある今、積雲と重なって分からなくなった

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