メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
jbhvjv
ワールド:
かえで

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創作物語

浮遊:88 日付:2014.11.29 19:54 表示回数:585





1人、短距離走に打ち込むのは新福だった
50メートルと、スタート地点にマネージャーが2人
全力ダッシュの50mインターバル、更に休憩なし
7.5秒を上回った時点でゲームオーバー

「…すごい…」

マネージャー、佐川鏡花は一体どれほどウォッチを押したのか
決して落ちることのないペースが刻まれる

「足りねえ…」

新福が思い出していたのは前の試合
仙崎と霊宝との試合だ

次の総体、お前に勝つ

と、漸く彼の本心を知れた
だから、全国で倒さねばならない
正々堂々と
この間のように、因縁や復讐としてでなく
選手と選手として
そのための全国大会への切符なのだ
きっと、仙崎も全国大会を狙っている
総体で引退する気は毛頭ないだろう

一体どれほど往復しただろうか
10を超えたあたりから数えるのをやめた
そろそろ足が悲鳴をあげる
怪我をしないうちに、やめなければ元も子もない

新福はその場で失速して、歩き出す

「凄いですね!新福先輩!見て見て!」

16往復目で途切れた記録が記載されている

「…50かける16で、800m、か」

「…どうしたんですか?」

「いや、足りないな、こんなものじゃ」

新福は新野宮と、佐上からウォッチを預かると、また走り出した

「どこ行くの!」

と、後ろから佐川の声がした

「ダウンだ!乳酸溜まったら体が鈍る!」

そう言って走り出す彼の背中を、彼女はそっと、見つめていた

「本当に…速いなあ」

なびく髪が少女の髪を揺らす
何時もは、校舎棟から遠目で見る程度だった
知らなかった
ここまで何かに打ち込む新福の姿を
教室での平生の彼は、もっとおちゃらけた馬鹿であるとばかり思っていたから

彼女はいつの間にか目で追っていた彼の背中を見失っても、その方向をずっと見つめていた

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