メイプルストーリー

おしゃべり広場

キャラクター名:
謎の組長X
ワールド:
かえで

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創作物語

リミットゾーン/デッド・オア・アライブ 日付:2015.02.05 22:18 表示回数:526

15

「そっちから来ないならこっちから行くぜ!」

叫び、マックスが拳を突き出してきた。
トミーはその早さに反応し切れず、頰に一発食らってしまった。
その時、トミーは改めて理解した。
ミスタチオン関連筋肉肥大という特質は伊達ではない。
彼のパンチ力は人を超えているといっても過言ではない程だ。何発も連続で食らってしまえば、頭蓋骨が砕け散ってしまいそうな勢いだ。

「い……痛えなこの野郎! 素人のおまわりさん相手に本気で殴る事はないでしょ!?」
「ならかかってこいよ。ここに当ててみな」

見下すかのような笑みを浮かべながら、マックスは自分の頰に指を当てた。
完全にトミーは遊ばれていた。

「この野郎……あんま調子に乗ってると、痛い目みるよォ!?」

叫び、トミーは渾身の力をこめ、マックスの頰に拳を叩きつけた。
彼のパンチ力も相当なものだ。
若い頃から鍛え上げられた身体に比例し、並の人間よりも高いパンチ力を有している。
しかし、それもマックスには無意味だった。
マックスは軽く後ろへのぞけっただけで、大してダメージを受けていなかったのだ。

「ヒッヒッヒ……確かに、そこらの奴らと違っていいパンチ力を持ってるな……だが、それだけだぜ!」

呟いたその時、トミーの腹へボディーブローを打った。さらに続けてアッパーを打つと、トミーは大きく宙へ浮き上がった。
床に叩きつけられ、血が混じった咳をする。
サウスブロンクスでの銃撃戦から一切休まずにここまで来たのだ。トミーは身体だけでなく精神的にも限界だった。

「チッ……おい兄貴ィ! もう勝負する必要もねえぜ! コイツはもう限界だ」
「フン。まあよく、ここまで戦えたと褒めてやるべきだな。楽にしてやれ」

言うと、マックスはトミーの胸倉を掴んだ。
そのまま頭部の先端部にまで行き、トミーを突き落とそうとした時だ。

「ちょ……待って! 五十キロの金塊が欲しくねえのか? 俺を殺すと何処の銀行へ運ばれるか分からなくなるぜ」
「残念だがトミー。念のために俺の部下が警察のデータベースにハッキングしたところ、どこにも金塊についてのデータは無かったそうだぜ?」
「そ、そりゃ多分お宅のパソコンが壊れてるのさ。よくある話でしょ〜?」
「口の減らねえヤツだ。マックス、突き落としちまえ」

それを聞いたマックスは笑みを浮かばせ、「これでテメエのにやけ面ともお別れだ」と呟いた。

「ちょっよせ! よせって! 俺が死んだら全米が悲しむぜ!?」
「へっ。あばよトミー!」

必死な言い分も虚しく、マックスは力任せにトミーを放り投げた。空中へ放り投げられ、トミーは叫び声をあげながら落下していく。

「だぁああちくしょうあの野郎! 死んだらお化けになって毎日つきまとってやるからな!」

トミーは今度こそ死を覚悟した。
女神像の頭上から地面に落下すれば、生き延びる事などほぼ不可能だろう。
あぁ、35年間独身で終わるとは思いもしなかったぜ。
そう思っていたが、神はトミーを見放さなかった。

「……あん? なんだありゃ」

トミーは地上を見て思わず呟いた。
地上には巨大なネットが張られていたのだ。それもトミーが落下する箇所を中心に張られている。
あれに落ちれば死ぬ事は免れるだろう。

「ありがたいねえ。スパイダーマンが俺を助けに来てくれたのかな?」

本当はエリオットがやってくれたんだろう。
トミーはそう思い、ネットへ着地した。
周囲には無数の警察官達が集まっており、その先頭にはエリオットが立っていた。

「危ない所だったなトミー。俺が無線で手配しなきゃ、今頃死んでた所だぞ」
「助かったぜエリオット……まじ、サンキューな」
「無茶も程々にしておけよ? それにしても、奴らを逃してしまったな」

上空を飛行しているヘリコプターを見上げながら、エリオットが呟いた。
トミーは煙草を取り出して火をつけると、口に咥えながら言った。

「Dr.レッドフォードやトニー・カルヴィーノ……そしてミラー・ファミリーか。ほんと、この国で退屈なんて無さそうだな」






以上で第3章は終了です。
それに従ってお詫びしたいことが一つあります。
諸事情によりリミットゾーンの続編は「小説家になろう」というサイトの方で書こうと考えております。
理由としては他にも書きたい作品があり、それらを共に両立させながら書くのは難しいと判断したので、リミットゾーンはこのように別サイトの方連載する事に決定しました。おしゃべり広場でご覧になっていた方々、大変申し訳ありません。
そして次回作から、ヤツが帰ってきます……

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