――神鬼&ゆなち&ハク――
ゆなち「わたし、気になってたんだけど、神鬼くんってあの東恩納神鬼?」
神鬼「あのっていうのは?」
ゆなち「最近噂の期待の新人、超彗星ともてはやされたチームサンダーズのサッカー選手の東恩納神鬼」
神鬼「……やっぱり、バレてた?」
ゆなち「わたし、曲がりなりにもファンですから!」
神鬼「ありがとうございます」
ゆなち「サイン頂戴!」
神鬼「元の世界に帰る時にね」
神鬼(本当はサインを考えてない、なんて言えない)
ハク『…………』
ゆなち「どうしたの? ハク」
ハク『ゆなち。なにか来たよ』
ハクが睨む方にゆなちはめを向ける。するとそこには茶色い塊がいた。その茶色い塊は、ゆなち達に近づいて行っているのか、段々大きくなっていく。
近づいてくるスピードはとても速かった。
ゆなち「危ない!」
神鬼「!?」
ゆなちは近づいてくる茶色い塊にぶつかりそうになる、神鬼を押し出して一緒に転がる。茶色い塊は先程ゆなち達が居た場所を勢いよく通り、後ろにあった大木を粉砕した。
神鬼「イタタ……あれってまさか」
ゆなち「クマ?」
ハク『クマだね』
茶色い塊の正体は、全長三メートルはくだらない程巨大なクマだった。
ゆなち「まずいよ。今のわたし達じゃどうにもでき――イタッ」
神鬼「大丈夫!?」
ゆなちは神鬼を押し出した時に足を挫いたようで、足首が赤く腫れている。
神鬼(くそっ! ぺぷしさん達を呼ぼうにもゆなちは走れないだろうし。僕が行ってもゆなちがやられる。ハクは喋れないし)
神鬼「どうすれば……」
クマ「グルルル」
犬のように唸る巨大なクマ。
神鬼「よし」
神鬼は立ち上がった。
ゆなち「え、どうしたの? 神鬼くん」
神鬼(僕が戦うしかないじゃないか)
神鬼「大丈夫。僕が守るから」
神鬼(……ゆなちにも『能力』と『切り札』があった。じゃあ僕にも『能力』と『切り札』がある可能性がある。……賭けだけど)
クマ「グアアアアアァァ!!!」
クマはその巨大な腕を振り上げ、神鬼達を一撃で殺戮せんと振り下ろした。
神鬼(くそっ。今までサッカーやってきて足は鍛えたはずなのに……めっちゃ震えてる。怖い)
神鬼「うわあああ」
神鬼は目をつぶった。
神鬼「……あれ?」
なにも起こらなかったので、不審に思い目を開けてみると――クマが凍っていた。全身くまなく、氷で覆われていた(クマだけに)。
ゆなち「……すごい。すごい!」
しかし喜びもつかの間――早くもクマを覆う氷にヒビが入った。
それを二人は知らない。
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十三話目ッ!
神鬼くんついに能力発動!
しかしいきなりピンチ!
9:00頃にもう一話出すのでお楽しみに
次回予告
・神鬼くんとゆなちついでにハクはどうなる!
・ぺぷしとめぐみが活躍!
ではでは
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