久しぶりの投稿です。
本当はずっと前(半年以上)からできてたのですが、まぁ、いろいろあって…汗
遅れた分、一気に投稿したいと思います!
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驚いた。そして何だかやるせない気持ちになり、俺は思わず俯いてしまった。
が、一方で、そういう反応をしてくれて少しホッとした自分がいたのも事実だった。
「・・・ははは。自己紹介、した方がいいよな。」
そう言う青年は立ち上がると、俺たちの方に向き直り、少し照れ臭そうにまた笑う。
しかしその笑い方には、どこか影があるような気がした。
(やはり何処かで見たことのある顔だ。でもコイツには悪いが・・・全く思い出せない。)
彼は俺が探るような目で見ていても気にもとめず、先程宣言した通り、自己紹介を始めた。
「改めて、初めまして。俺の名前は、―――――ゆ」
直後、事件は起きた。
バッコーーーン!!!!!
「「!?」」
それは、岩が砕け吹っ飛んだ音。
(まさか・・・来たのか!?)
・・・案の定、音が聞こえた場所に、"ソイツ"はいた。
「ホーンテイル!!」
(ちっ、こんなときに・・・!)
すぐさまケインを取り出し、身構える。
「ファントム!お前は正面から行け!!私は背後へ回る!!」
「了解!!」
何回も倒したことのある相手だ。
だが、だからといって油断してはならない。
コイツに戦いを挑んだ冒険者は沢山いたが、無事に帰ってこれたのは極僅か。
「ふっ、最近はろくに戦ってなかったからな。腕がなるぜ!」
俺はルミナスの指示通り、素早く正面へ。
「おいルミナス!怖くなって腰抜かすんじゃねーよ!!」
「それは・・・こっちのセリフだっ!!」
背後に回ったソイツはホーンテイルの背中を一気に駆け上がる。
そしてソイツの体は宙に浮き、体制を整え、そして。
「光よ!!」
途端、周囲が真っ白になった。
その光のあまりの強さに危うく俺まで目を眩ますところだった。
「今だ!!」
「分ーかってるよ!!一発で決めてやる!!」
そうだ、一発だ。止めは俺が刺す。
精神を統一させ、意識を集中する。
ホーンテイルは今目を眩ましている。
やるなら・・・今!!
正面から風をきって突っ走り、思いっきり地面を蹴った。
と同時に、自身の回りがキラキラと輝き、やがて透明な膜のようなものができた。
(っ!?これは・・・!)
高く宙に舞い、ホーンテイルの体長を優に越える。
(さあ、最高のフィナーレを見せてやろうじゃないか!!)
握ったケインに力を込め、一気に振り上げ…
「これで・・・終わりだあああ!!!」
「やめろおおおおお!!!」
どこかで声が聞こえた。
ルミナスではない。
しかし周りを見渡しても他に誰もいない。
では、一体誰が・・・?
「止めろ!!止めてくれえええ!!!」
声のする方を辿っていくと・・・
(っ!嘘、だろ・・・!?)
その声の主は、まさかまさかの―――――
「お願いだ、頼む!!話せば分かる!!!」
"ホーンテイル"、だった。
「・・・っぎ、っぎ・・・・・・」
「ギャアアアアシャベッタアアアアアアア!!!!!」
next...
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