ピクシブから。
題名がこんな感じですが、実際はフリードほとんどでてこないです。
ファントムとルミナスが何故仲が悪いかについて。
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第三者視点
「はぁ…」
彼は、眼前で繰り広げられる争いにため息を吐いていた。
「相変わらず、仲が悪いな…」
フリード。
気高き種族、オニックスドラゴンを今世で従えることができる唯一の青年である。
彼は悩んでいた。元々ストレスを溜め込みやすい傾向にある彼だが、その歪んだ顔から察するに、今回は特に酷い様子。
…いや、実際には”今回”だけではない。ある光景を視界に捉えると必ずこうなる。
そんな彼を不快にさせるものとは、一体何なのだろうか。
「いい加減やめなよ。ファントム、ルミナス」
フリードの声が耳に届いていないのだろう。
2人は武器を構え、距離をとりつつ睨み合っている。既に臨戦態勢だ。
周りの空気がピンと張り詰めていて、互いが今か今かとその瞬間を伺っている。もはや戦闘が開始されるのは時間の問題であろう。
(仲間なんだから、ちゃんと協力し合ってほしいんだけどなぁ…)
そう。これが、彼の今一番の悩みの種。
フリードは思いやりのある性格ゆえに、争い事が大嫌いであった。
相手が例えどんな悪でも、傷つけるのには少々抵抗があったし、ましてやそれが大切な仲間だとしたら尚更のこと。
同士討ちは決して望んでいない。
だから、こうしてほぼ毎日のお約束となった悩み種の彼らをどうにかしようと頭を抱えていた。
のだが。その取り組みは皆無に近く、成す術もない。
そもそも、ファントムとルミナスがこうして仲が悪くなったのは何時の頃からだったか。性格が真逆、それもある。だがしかし、最大の原因があった。
(そんなの…覚えているに決まっているじゃないか)
(あの日以降、彼らは変わった)
それは、まだフリード達が暗黒の魔法使いを倒す前のことーーー
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『これで、俺たちは仲間だ。みんなで協力し合って、暗黒の魔法使いを倒そう!』
『『『『『『おーーっ!!!』』』』』』
太陽を直視することが出来る、夕暮れ時。
6人それぞれが拳をあげ、決意を新たにした。
皆でやれば困難なことなどない。あの憎き魔法使いを倒して、この世界を平和にするんだ。そう期待に胸を膨らませて。
このときは、ファントムとルミナスの仲は悪くなかった。寧ろ良いといった方が正しいくらいで、よく彼らはお互いの悩みを相談し合い、決して嘘はつかない仲だった。そう信じていた。
信じていたかった。
しかしーーー
二人は、互いに隠し事をしていた。
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