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面倒くせええが提案した、能力の急激な上昇による自壊を防ぐための薬を作るための2つ目の問題。
「専門材料混合薬は知ってるか？」

採鉱の専門技術による鉱石。薬草採集の専門技術による薬草。鉱石を溶かして、薬草のエキスを取り出し、どちらも液体となった時に混ぜ合わせた時に作れる物質。その物質を錬金術の専門技術によって作った薬のことだ。

専門技術は2つまでしか学べない。その上採鉱-匠人、または採集-錬金術の組み合わせ以外の専門技術を選んでしまうと、材料は取れても加工が全くできないのでただの荷物になる。
そのため基本は採鉱・匠人の専門技術を持つ人と薬草採集・錬金術の専門技術を持つ人と2人の協力が必要になる。バッグの容量も圧迫するため、作られる薬はコストも効果も非常に高い。
「最近噂になってるな。」
「その技術が必要だが、1個あたりに必要な素材も多いし、何より高い熟練が必要だ。まず選択者がいない。」

鉱石を溶かし、薬草のエキスを取り出して薬を作るにはには採鉱・薬草採集・錬金術の専門技術と3つを選択しなくてはならない。
しかもこの選択では採鉱で入手した鉱石は錬金術で使えないので、この場合採鉱は役立たずと思われる。
2人1組での流れ作業もできなくはないが、難易度が高い薬なので扱いも慎重にしなければならない。振動・外気・分量・製造時間etc...が影響してくる。意思疎通のために数秒の時間が必要な2人1組となるとさらに成功率が下がりかねない。

「難易度は大体どれくらいだ？」
「最低で採鉱3級、薬草採集・錬金術2級クラスの実戦経験がいる。特級でも成功率が100％にはならない。」

ある程度の冒険をしてから専門技術を習い始めた場合は7級となる。薬や武器・ファミリアは専門技術に頼らなくても事足りることがほとんどなので、学ばない人はとことん学ばない。ちなみにレイは薬草採集・錬金術6級である。ダメージ自体あまり受けないから頼らないのと昇級がめんどくさいから上げてないそうだ。
「スタッシュなら例外で全種特級だが…今用事で手が離せないそうだ。スキル教官も1種類しかできないから、基本的に2人1組だな。専門技術を重点的にやってるやつは多い。」

「1番の問題はそれじゃない。材料に細胞の傷がない緑キノコかメイプルキノコの傘が必要だ。」
「緑キノコかメイプルキノコの傘？あんなのだれでも取れるだろ？」
「1個でも細胞膜に傷がついたら成功率が大幅に下がる。殴ったり斬ったりしてナイフか何かで切り取るだろ？あの時にどうしても細胞が壊れるんだ。場合によってはキノコが跳ねただけでダメだ。傘以外の余計なものもダメだから。そういうことで細胞を傷つけずに倒すんだから攻撃方法が限られてくる。」
「ってことになると物理攻撃はもちろん、毒も細胞を破壊するからダメ。魔法も属性のついた奴と衝撃を与えるものは使えない。オリジナルスキルの体力吸収系の魔法で倒すとか攻撃と採取を同時にするとか。1個取るだけなら数十分で済むかもしれないが、薬を飲んだ全員分だから厳しいな。」
精神非異常者が即座に方法を考える。つまりレイのデュアルボウガンで普通に倒すのでは何体倒そうが素材としては使えない。

「なんか一工夫して倒さないとな。」
レイはそう言ってカニングシティーを後にしようとしてドアに激突する。考え事をしていたら電柱にぶつかることもあるし、ドアを開け忘れてぶつかるのもありだろう…ないか。

「Wing Deathも出るべきか？いや、まだだな。事の重大さにまだ誰も気づいていない。レイやスタッシュでさえも。」

続く

あとがき
自分でも分かりにくいと思ったので分かりやすくまとめました。分かりやすく…？

・解決にはとある薬が必要
・薬は採鉱3級、薬草採集・錬金術2級以上ないと作れないので、2人1組で行わざるを得ない（3種類の専門技術が必要だが1人2種類までしか覚えられない）
・材料は鉱石+薬草+オリジナルスキルで倒したメイプルキノコの傘か緑キノコの傘

早い話がめちゃくちゃややこしくて難しいってことです