「最近のメイプルはつまらない」
そう言われ続けて一体何年たつだろうか。
「メイプルもそろそろ終わり」
引退者にそう言われ続けて何年が立つだろうか。
メイプルストーリーは魔性のMMOであった。少なくともBB前までは。BB後から歯車が狂い始め、今や時代に取り残されたMMOの代表格になってしまった。その原因については広場でもさんざん言われている。しかしこう言った懐古に浸る人々は一番大きな点を見落としていると僕は言える。僕の考える一番の理由は「人が減ってしまったから」
そもそも、僕はBB後で人がとっくにいなくなっていたメイプルストーリーが好きなのだ。BB前のメイプルストーリーではない。僕から言わせてもらうと、BB前のメイプルは面倒くさくてやる気が起きない。では何故僕がBB後のメイプルが好きなのか?
それは「そこに人がいた」からである。
BB前は禄に友達を作る事が出来ずメイプルから離れて行った僕だが、数年前に復帰した時には非常に多くの友人を持てた。今でもかけがえの無い存在である友人はたくさんいる。殆ど引退してしまったが。僕にとって、上げやすいLV、稼ぎやすいメル、楽になった移動手段は全て便利な物として認識できた。なのでそれらを否定し「古き良きメイプル」を神格化する人々を不思議に思った。そして僕はある結論に達した。
「このゲームの一番の醍醐味は『人がいる』と言う事ではないか?」
度々懐古に浸る人々が話題に上げる廃課金者達。彼らは強さを競い合っている。彼らが課金を止めないのは他の廃課金者がいるから。誰もいないMMOで課金をするのはバカらしいことではないか。だってMMOには一般的なゲームと違い終わりが無いのだもの。
BB後のメイプルは「人がいる」場所を潰しにかかった。狩場1、カニングクエスト、モンスターカーニバル。これらのコンテンツは確かに素晴らしい。しかし、これらをより素晴らしい物にしていたのは人の多さだった。
人々は行き場を失ったのだ。
BB後の改変はトリガーでしかなかった。溜まり場を潰すのであれば別の溜まり場を用意するしかない。それが成功していれば今のメイプルはそれなりに人が居て、BB前のメイプル信者とBB後のメイプル信者が激しく罵倒し合っている情景があっただろう。
狩場1が復活した事は記憶に新しい。狩場1が復活する前、懐古に浸る者たちはこれを「古き良きメイプルの象徴」として祭り上げていた。そして運営はその声に答えた。人は増えたか?答えは否だ。当時は既に人の溜まり場がヘネシスやパンデオンに移り変わっていた。そして、懐古に浸る人々は狩場1について言及することを止めた。そして別の「古き良きメイプルの象徴」を祭り上げた。
発想を変えるべきではないだろうか?
メイプルストーリーが人気だった理由。それは単に人が多いから。では何故人が多かったのか?当時、他にやるべきMMOが無かったから。先行者メリットと言うやつだ。ネクソンはブルーオーシャンにいち早く飛び込み、成功を収めた。今ではオンラインゲームなんて珍しい物ではない。ソーシャルゲームですらレッドオーシャンだ。ではこの人が居なくなったメイプルを愉しむには一体何をすべきか?
「人と一緒にメイプルをやる」事だろう。
復帰者は大体一人でマップに放り出される。とりあえずLVを上げる。味気ない。そしてアンインストール。これでは楽しめない。これは僕が保証するが、LVが上がりやすくなり、移動が楽になり、廃課金者向けコンテンツが多くなった今のメイプルも十分楽しめる。復帰者は示し合わせてメイプルに復帰し、同じ行動をとる。それだけで古き良きメイプルの感覚を十分味わえるのではないか。しかし示し合せる手段が無ければ結局同じことだ。復帰者は孤独な旅を強いられてしまう。
そこで必要になるのは現役ユーザーの手だ。「復帰者は突然いなくなる」としてギルドマスターは復帰者をギルドに入れたがらない。しかしそれでは過疎化は進む一方である。人が居ないなら人との関わりをより密接に持つべきである。
しかし僕はそれを行うことが出来ない。第一僕はメイプル内でもコミュ障の人見知りであるし、人付き合いを面倒くさがる。ギルドマスターであるがギルドイベントなんか一度も行ったことが無い。それに何よりメイプルに飽きてしまった。しかし僕は飽きてもメイプルにINし続ける。何故か?友人が数人ほど残っているからだ。特に再婚した方には優しくして頂いている。人が居るからこそ僕はメイプルストーリーと言うゲームから離れられないのだ。
僕らの知っているメイプルストーリーはもう無くなったのかもしれない。しかし、メイプルストーリーと言うMMO自体は無くならないのだ
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