BWゲオルクパイロット「ヘッヘッヘッ!」
ソウスケ「うぅッ…!」
環境の問題で特進種を持たず、反撃が失敗した際に長槍を折られて丸腰状態になってしまい、更には退路を断たれ、ゲオルクmk-Bを前に絶体絶命へと陥ったソウスケ。
BWゲオルクパイロット「あとは、てめぇをハンマーで潰すだけだ。」
絶好調と言わんばかりにジェットハンマーの噴射装置からボッボッと吹き出す。
ソウスケ「ちくしょう、もう万事休すかよ…!」
BWゲオルクパイロット「これで終わりだぁ!ブッ潰れろぉーー!!」
勝利のポーズの如くジェットハンマーを振り被り、噴射全開で振り下ろす。
ソウスケ(復讐すら果たせず、無念…!)
腹を括り、目を瞑ったその時だった。
???「後ろに手を伸ばしなさい!!」
ソウスケ「へ?」
その声で咄嗟に右手を背後に伸ばすと、棒のような何かを掴んだ。同時に透かさず両手に持ち、目を瞑ったまま…。
ソウスケ「うおぉー!!」
ガギイィィィイン!!
互いの渾身の一撃がぶつかり合い、凄まじい衝撃音が周辺に響き渡る。
BWゲオルクパイロット「…あ?」
沈黙が続いた後、先に口が出たのはゲオルクのパイロットだった。それも「あ」だけの呆気ない一言。
ソウスケ「…へ?」
意外な反応に瞑った目を開ける。するとどうだろう。棒のような物と激しく交わったゲオルクmk-Bジェットハンマーが真っ二つに割れ、その半分が宙に浮き…地に落ちた。
BWゲオルクパイロット「あぁ~!?ジェ、ジェットハンマーがぁ~!!?」
ソウスケ「…。」ポカーン
あまりの結果に混乱するゲオルクmk-Bのパイロットとそれに呆然とするソウスケ。
ソウスケ(今までにない手応えだった。てか、今持ってる物って…。)
相手が混乱している隙に持っているものを確認してみる。それは身に覚えのある武器だった。
ソウスケ「 偃月刀…!? 」
偃月刀(えんげつとう)もとい、大刀。 幅の広い反った片刃の刀身をもつ長柄武器だ。斬るための武器だが刀身は重く、その重量を生かして叩き斬るように使う。斬る事が出来なくても、重さによる打撃力で鎧の上からでも十分な威力になったという。『三国志演義』における関羽の武器「青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)」が代表的だ。
ソウスケ(こんな武器を誰が…?)
キョロキョロと周りを見渡すも、それらしき人がいない。少なくとも女性の声が聞こえたのを覚えている。
ソウスケ「誰の仕業なのか分からんが、お陰でまた逆転できた。少し重いけど、見せてやるよ。偃月刀による、本来の流派三日月流をよ!」
三日月流は元々偃月刀の流派を日本風にアレンジし、偃月は三日月と意味する事からそう名付けられたものである。その為、長槍よりも偃月刀になればより多くの技を繰り出すことができる。
BWゲオルクパイロット「ひ、ひぃ~!!来るなぁ~!!」
まだ混乱が続くゲオルクパイロットだが、至近距離でグレネードランチャーを乱射。爆煙で辺りが煙だらけなり、静かになる。
BWゲオルクパイロット「や、やったか…?」
煙が晴れて目の前にあるのはグレネードランチャーによるクレーターのみ。
BWゲオルクパイロット「へ…へへッ、驚かせやがって。所詮は口だけかy───」
ズドン!!
BWゲオルクパイロット「あ…?」
ゲオルクパイロットが勝利を確信した瞬間にグレネードランチャーを斬り落とされる。
ソウスケ「所詮は何だって?」
BWゲオルクパイロット「ひいぃ~!?何でぇ~!!?」
実は至近距離でのグレネードランチャーを乱射される際、ソウスケは回避する為に真上へ跳んだのだ。爆発の衝撃で更に高く上がり、ゲオルクパイロットが油断したその時に頭上からグレネードランチャーを斬り落とす事ができたのだ。
ソウスケ「これで使い物が無くなった訳だな。」
威嚇兼いつでもぶちかませる様に刃に槍気を溜めつつ、睨み付ける。
BWゲオルクパイロット「ま、まだだ!まだこいつがあr───」
ズバァ!!
BWゲオルクパイロット「…るぇ?」
今度は半分になったジェットハンマーを振り下ろそうとたところを斬り上げて両腕がない状態に陥らせ。
ソウスケ「烈風、偃月落とし!!」
斬り上げによる斬撃の連続でゲオルクmk-Bを空中に浮きあげ、それを更に頭上から…。
ソウスケ「くたばれぇ!!!」
渾身の一撃をぶちかまし、ゲオルクmk-Bを地面に叩き落とす。その際、爆発した様に煙が撒き上がった。
続く。
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