「・・・(ジーッ)」
「・・・」
「・・・(ジーッ)」
「・・・」
「・・・(ジーッ)」
サクノと人魚の少女は未だにお互いを見詰め合って微動だにしない。
「・・・カンナ、茶いるか?」
「ああ、すまん」
ミヤビとカザミが淹れた茶を持ってきたリュウがカンナに手渡す。カンナもずっと座り込んでサクノを見ていた。ちなみにハクはカンナから金平糖を貰ってガツガツ食べている。
「なあ、姫っていつもこうなのか?」
「そうだな。昔からああだな。やれ野狐だの河童だの月兎だの火狸だの、色々な奴等と見詰め合っているだけで、気が付いたら友達になってつれて帰ってきたな」
「夜狐とか夜行とかお化け提灯とかいたよね?」
「・・・」
これを聞いたリュウは、サクノとなんぞや、と改めて疑問に思った。
「・・・俺、その辺歩いてくる。なんかあったら知らせてくれ」
「ああ」
そう言うとリュウは歩き出していった。
それから数分後、
「カンナー」
やっと見詰め合うのを止めたサクノが戻ってきた。
「どうしたサクノ。もう良いのか」
「うん。それとね、あの子のお家に行こうと思うの」
「は?」
詳しく聞いてみると、どうやらサクノと人魚の少女は見詰め合っている間に友達になったらしく、彼女の家に来ないかと誘われたらしい。
色々とツッコみたい所はあるが一先ず置いといて、
「駄目かしら?」
「それ以前にどうやって行く気だ?海の中を潜れと?」
「お迎えが来るから大丈夫だって」
「・・・分かった。じゃあみんなを呼び戻さないとな。キジャ、ミウの所に行って来い」
「・・・ああ」
いつの間にか戻っていたキジャは返事する。
カンナはミヤビとカザミの所に来る。
「おいお前等、リュウを呼び戻して来い」
「うむ。承知した」
「えー?面倒臭いんですけどー?」
「拒否するなら消す」
「わ、分かったわよ。分かったからそんな殺気出さないでよ」
カンナの殺気にビビるミヤビはカザミと共にリュウを捜しに行く事にした。
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