※敬称略
■暗黒騎士ウサ■
『死神連合』に所属する死神。
死神連合は、主神ではなく悪魔に与する堕落した死神たちの組織。
その死神連合の中でも、戦闘に特化した『騎士』と呼ばれる組織の一員。
黒い帽子に黒いコートという出で立ちから、俗に暗黒騎士と呼ばれる。
性質はダウナーでルーズ。やや間延びした口調で話す。
アバウトな性格ではあるが、仕事の時だけはやるべきことをきっちりこなす。
仕事以外のことになると、途端にルーズになる。片付けや収納が苦手らしく、彼が住む部屋は、様々なものが散らかっている。
『正義など存在しない』と口癖のように言い、『長いものには巻かれろ』が彼の信条だというが、その実、彼自身にとっての正義を捨て切れてはいない。
死神連合の方針にも、今のところ表向きは従っているが、内心では彼らに対する不信を募らせていた。
何事にも冷淡でやる気のなさそうな態度をとることが多いが、戦闘になるとやや目つきが鋭くなる。
夕焼けを見るのが好きで、頻繁にこっそり現世にやってきては、黄昏ていく空を眺めている。
今でこそ普通の死神として連合に従っているが、幼少期はある悪魔たちの魔法の実験台にされていた。
その時の名残で、左目の眼球の裏に細かな魔術式が刻まれている。
本人がある言葉を詠唱すると、眼球の魔法式が発動し、身体能力が飛躍的に強化される。
魔法の発動時は、魔術式がある左目に赤色の炎、死神と連動している大鎌には紫色の炎が現れる。
魔法を長時間発動させ続けると、副作用として本人の記憶が古いものから消えていく。
悪魔の実験台になっていた頃は、今とは打って変わって情熱的で意欲に溢れる性質だった。
幼かった彼は、度重なる実験の苦しみに耐えかね、単身で悪魔たちに反旗を翻したが、悪魔やその仲間の死神たちに叩きのめされてしまう。
結局、反抗した咎は『今後一切我々に反抗しない』という誓約のもと水に流された。
眼球の魔法の副作用により、現在は幼少期の記憶がほぼ消えているが、その時の経験により彼はやる気のない冷淡な性質になってしまった。
もっとも、前述の通り根本的には確固たる価値観をもつ性質であるため、いずれ何かのきっかけにより、誓約を破る時がくるかもしれない。
■戦刃霧骸■
トナカイ族の少年。2本の大剣を扱う戦士。
中性的な見た目だが、実際の性別は男である。
ヒトならば、1本でも両手を使ってやっと扱えるような重量の剣だが、トナカイ族はみな怪力であるため、この少年も2本の大剣を片手で軽々振り回す。
彼の両親も戦士であり、彼は幼少期から戦士としての英才教育を施されてきた。
そのため、比較的幼いころから、モンスター討伐などで戦場に出ている。
基本的な性質はお茶目でいたずら好き。基本的にノリが軽い。
自分の中性的な容姿に自覚があるらしく、冗談めかして『可愛い』と自称することもある。
好奇心旺盛かつおしゃべり好きで、様々な他人の事情に首を突っ込む。
他人とは、心理的にはある程度の距離感を保つようには心掛けているが、面倒見がよくお節介な性質から、他人をケアしたり、他人同士のトラブルに巻き込まれることも多い。
これらの行動から、友人が非常に多い。
その一方で、戦闘になると途端にシビアでドライになる。
人間とモンスターをきっちり区別して考えている節があり、相手がモンスターであれば、(それらが敵対的であるか、友好的であるかに関わらず)皆殺しにしてよいと考えている。
この考え方は、本人が幼少期に抱えているトラウマに根ざしている。
幼い少年に戦士としての英才教育を施したかった彼の家族は、ある日、彼に残酷な課題を出した。
それは、あるモンスターの巣を殲滅して来るように、というものだった。
それも、ただ殲滅するだけではなく、丸1日モンスターたちの生活を観察してから殲滅に乗り出すよう、家族は指示した。
幼かった少年は物陰に隠れながら、丸1日、モンスターの巣を観察した。
モンスターの巣には、まだ体の小さなモンスター2匹と、その両親が互いにいたわり合いながら暮らしていた。
1日が過ぎた後、少年は酷く悩んだ。人間ではないとはいえ、この幸せそうな家族を殺してしまっていいのか。だが、家族に逆らえば厳しく折檻されるだろう。
いや、折檻されるだけなら良い。下手をすれば、失望されるかもしれない。両親に見放されるかもしれない。少年には、それが一番怖かった。
半日以上悩んだ末、少年は、モンスターの一家を皆殺しにした。
この時の決断はトラウマとなって少年の精神に爪痕を残したが、同時にこの決断を否定することも出来ず、まるで自らの傷を舐めるかのように、少年は同じことを繰り返すようになった。
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