なぜ人と人との間には軋轢が生じるのだろうか。
このゲームに長く関わり、観察するといくつかの仮設が成り立つので一部の方々にでも軽い気持ちで目を通してもらえたらいいなと思う。
今回はメイプルが廃れた原因を交えてここに記そうと思う。
衰退の3大要素として挙げられるのが、少子高齢化、運営不信、そして人間関係の悪化の3つがある。先の2つに関してはプレイヤー起因とは言い難い部分であるが、人間関係の悪化については明らかにプレイヤー側の問題と言えるだろう。
元来オンラインゲームにおいて、ゲームを通して人間同士の交流が行えることがメリットであったが、ここ数年はそれが必ずしもメリットに働かないケースを多く見てきた。
ほんの4,5年前までは、横や詐ぎなどマクロ視点でのプレイヤー間の争いは多く散見されたが度重なるゲーム内修正により、他のプレイヤーとの争いが起こりづらい環境整備がなされて今日に至る。
一見遊びやすくなったかと思えたが、その弊害は身近にもたらされてしまった。個人間でゲームプレイが完結する仕組みづくりが増えたことにより、プレイヤーはより自分の利益を求め、ノンストレスなコミュニケーションを求めるようになった。その結果、今までは関係維持に使えていたであろう労力を使うことを止め、これまで以上に’’わがまま’’な振る舞いをする者が増えたのだ。これに加えてライフスタイルの変化やプレイヤー年齢の成熟(そう言った意味では少子高齢化も相互作用しているかもしれない。)もありオンラインゲーム内における対人関係の重要性が薄れてしまったのだ。
ここでキーポイントとなるのはメイプルストーリーというゲームが他の媒体と比べて非常にリアルな仮想現実だったという事だ。
つまり、人と密接に関われるゲームだからこそ、対人関係が重要視されていた中でコミュニケーション機会の減少とメリット重視の行動は、争いを生む強いエレメントになってしまったのだ。
組織論において密接である事が必ずしも良い関係構築を行えるとは限らない事が分かっているが、それはこのゲームにも当てはまると思う。
ストレスフリーで自由な環境と精神年齢の成熟化という一見良き事象に思えるテーマは、同時に個人の主張と損得感情強くすることにつながってしまうのだ。
そして、より密接な関係性を築きやすい基盤があった事でその感情の衝突が起こりやすくなるのだろうと推察する。
皆さんも日々過ごす中で似たような場面があるのではないでしょうか。1つの例でお伝えしたテーマではあるがこれはあくまで個人の推察であり、更にはその先にある崩壊や過程の中にある副次的な要素の絡み合い、具体的な解決方法までは思考に至らなかった。
このミクロな世界の中でも見受けられる対人関係の軋轢は現実世界でも多かれ少なかれ起こっていることだと思っているので、少なくとも私の周りの人たちにはこのような環境下でも上手に対人関係を保てるようにしていきたいと思う。月並みな言葉ではあるが、この時代だからこそ一人ひとりのほんの少しの思いやりが必要なのではないだろうか。
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